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4か月ぶり先発で2アシストの川崎F FW小林「次の試合で爆発したい」

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[9.5 天皇杯2回戦 川崎F3-0松江シティFC 等々力]

 ボールを受けてゴールに飛ばす。そこまでの流れは完璧だった。右ヒザの手術と右ふくらはぎの肉離れを乗り越えて、約4か月ぶりに川崎フロンターレの先発メンバーに名を連ねたFW小林悠は、2ゴールに絡む活躍でチームの3回戦進出に大きく貢献した。

 川崎Fは立ち上がり、中国サッカーリーグの松江シティFCを攻めあぐねた。ほとんどシュートを打てなかった中で、前半24分にMF大島僚太がミドルシュートを叩き込む。久しぶりの先発に「最初は足が棒のようで、ボールタッチもうまくいかなかった」と苦笑する小林は、「相手も頑張ってきていましたし、僚太が一本決めてくれてからはラクになりました」と、U-23日本代表MFの一撃に感謝する。

 このゴールを皮切りに、攻撃が少しずつ機能した川崎Fは、前半37分と後半10分に追加点を挙げた。2つのゴールは、ともに小林のシュートのこぼれ球をチームメイトが押し込んだ形だ。まず37分の場面は、FKからMF中村憲剛がゴール前に入れたボールがDFにクリアーされる。こぼれ球を拾った小林は胸トラップから左足のボレーを流れるような動作で放った。これがGK船川航司朗に阻まれたところを、MFエウシーニョが詰めた。

 後半10分の場面はFW田坂祐介からの絶妙なスルーパスを、最終ラインの裏でうまく受けてフィニッシュに持ち込んだ。再びGK船川に防がれたが、ゴール前に詰めていたFW大久保嘉人が押し込んで3-0とした。

「決めるチャンスがあったので決めないといけないです。でも、結果的にチームのゴールにつながったのは良かったと思います。でも、それ以外にミスが多かったので、そこは修正しないといけないと思います」

 小林は、3点目が決まった5分後にピッチを離れた。良い形でボールに絡む回数も増えていたため、前もって決められていた交代なのかと思われたが、そうではなかったようだ。

「僕自身、試合に先発するのはすごく久しぶりなので、連係や試合勘はまだまだでした。後半になって良い形で動けるようになってきて、試合勘も戻ってきたなというときに交代になったので、ちょっと残念でしたけど、変にケガとかをしなくて良かったですし、このもどかしさは次の試合に取っておいて、次の試合で爆発したいと思います」

 試合後にはエウシーニョと右サイドでの動きについてしっかり確認したという小林。J1リーグ第2ステージで11位と苦しんでいるチームに、頼れる男が帰って来た。

(取材・文 河合拓)
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