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待望の移籍後初ゴール!! 浦和FW高木「一瞬何が起こったのか…」

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[9.11 第2ステージ第10節 浦和 1-0 柏 埼玉]

 誰もが待ちわびたゴールだった。スコアレスで迎えた試合終盤の後半43分、浦和レッズFW高木俊幸が右足で放ったシュートがゴールネットを揺らすと、地鳴りのような大声援がサポーターから沸き起こる。そして、背番号31の周りには、すぐさまチームメイトが祝福に駆け寄った――。

 主導権を握りながらも、なかなかゴールを奪えなかった浦和。高木は後半39分にピッチに送り込まれると、4分後の後半43分に大仕事をやってのける。左サイドを駆け上がったDF槙野智章からパスを呼び込むと、寄せてくる相手をなぎ倒してゴール中央に切れ込んで右足からシュートを放つ。ボールはここまで好セーブを披露していたGK菅野孝憲の前でバウンドが変わると、ゴールマウスに吸い込まれて値千金の決勝ゴールが生まれた。

「シュートはGKの前でバウンドするラッキーな形でしたが、球際でしっかりと勝てたということ、迷わずにシュートを打てたということにすごく意味があったと思う。打たなきゃ入らないというようなゴールでした」

 今季、清水から浦和に加入した高木だが、第2ステージ第3節広島戦ではPKを失敗するなど、ここまで無得点だった。ようやく生まれた移籍後初ゴールに、「本来はもっと早く点を取って、チームの助けになりたかった気持ちがあるし、プロとしてはまだまだこれからです」と語りながらも、「でも、今は素直にすごくうれしいです」と喜びを素直に表した。

 シュートを打った瞬間から、まるでスローモーションのように時間が流れていく。「(ゴールに)入るまで時間がちょっとあったような気がしました。でも、ゴールに入ってから自分がゴールを決めたと認識するまで、一番時間が掛かりました。一瞬何が起こったのか分からなくて…」。しかし、ボールがネットを揺らすと同時にすぐさま祝福に訪れた槙野の顔を見て、「ゴールが決まったんだと思えました」と自らの足でゴールを奪ったのだと認識できた。

 だが、うれしい移籍後初ゴールにも、一つだけ納得のいかないことがあったようだ。ゴール後に槙野、MF宇賀神友弥、そしてチームメイトからすぐさま手荒い祝福を受けたことで、「もうちょっと、点を取った後は自由にさせて欲しかったですね。サポーターの方に走って行ったり、いろんな人のところに走って行きたかったのですが、本当に自由を奪われてしまいました」と苦笑したものの、その表情には充実感が漂っていた。

(取材・文 折戸岳彦)
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