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[MOM1488]静岡学園MF旗手怜央(3年)_“和製レナト”目指して静学が育成する注目MF、差を示す90分間

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[9.12 高円宮杯プリンスリーグ東海第13節 磐田U-18 1-6 静岡学園高 安久路]

 静岡学園高の川口修監督は「(元川崎Fの)レナトのように育てているから。自分で行って、点も取っちゃう。あれがお手本。ああいう選手を日本人でも育てる」と日本高校選抜候補の10番MF旗手怜央(3年)育成について口にする。J1で2度の二けた得点を記録し、今年も夏に広州富力へ移籍するまで9得点をマーク。指揮官は旗手について、「和製レナト。レナトも凄いけれど、コイツも凄いから」と突破力、得点力ともにJ屈指のアタッカーだったレナトのような選手になるだけの才能を認め、これから卒業までの半年間、そして進学予定の大学サッカーでのさらなる成長を期待した。

 抜群のスピードとボールを失わないテクニック、そして左右両足から枠へ放つキャノンショットなど高いシュートセンス。昨年度の全国高校選手権3回戦で優勝候補筆頭の東福岡高ゴールに先制ミドルを叩き込んで勝利に貢献したMFは、高校最後の冬を前にスケール大きな選手に育ってきている。この日は前半12分に連係よく右サイドの高い位置へボールを運ぶと、カットインからのスルーパスで先制点をアシスト。さらに18分にもDFライン背後への飛び出しからラストパスを通して連続アシストを記録し、41分にはMF長尾吉家のスルーパスで抜け出してGKとの1対1から右足シュートをゴールへ沈めた。そして後半アディショナルタイムには中盤で抜け出すと、ドリブル勝負。スピードと馬力のあるドリブルでPA手前までボールを運んだことがMF西山大輝の6点目のゴールを生み出した。

 首位・磐田U-18との首位攻防戦。ゴールシーンに絡み続け、ゴールシーン以外でも突破、連係でボールを失わずに攻撃に絡み続けたMFを指揮官はマン・オブ・ザ・マッチに推した。旗手は「元々試合前からやってやるという自信があったので、それがピッチの中で表現できたのは自分的にも良かったです」と笑顔。そして、「ゴールだったり、アシストだったり、攻撃の組み立てというのは上手くできたと思うんですけど、後半に2、3本ミスがあったのでそういうミスをなくしていければ、もっと完璧な選手になっていけるのかなと思う」と課題も口にしていた。

 本人は指揮官から目標とする姿として挙げられたレナトについて、「個で狭いところを打開して最後絶対に点決めているのがあのレナトという選手だと思う。自分も似たところがあると思う」と印象を口にする。突破、抜け出しによるチャンスメークだけでなく、ゴールについてのこだわりも口にし、今後量産していくことを誓った。

 今年の静岡を代表するひとりは磐田U-18戦のパフォーマンスで全国レベルのアタッカーであることを証明したが、高校からのプロ入りは叶わなかった。「自分の最終目標はプロなんで、そこに近づいてこれているとは思うんですけど、(高校で)そこに届かなかったのは何か課題があると思う」。足りない部分を日々のトレーニングで改善すること。より精度、試合を決める部分を極めて、目指す姿へと成長し続ける。

(取材・文 吉田太郎)
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