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[選手権予選]復帰戦で勝利決めるPK、東海大高輪台MF武市主将「勝つことがいろいろな人への恩返し」

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[9.20 全国高校選手権東京都Bブロック予選2回戦 実践学園高 2-2(PK1-4)東海大高輪台高 駒沢補助]

 1-1の延長前半5分に投入された東海大高輪台高MF武市健太主将はこの試合が7月のT1(東京都1部)リーグで負傷して以来となる復帰戦。「まだ(骨が)くっついていない」という右足首でピッチに入った武市は「自分が入ってもっと盛り上げていかないと。1-1で入って絶対に自分の役割はあると思った」というように献身的な走りで勝ち越しゴールのお膳立てをする。8分、右サイドから中央へ仕掛けたMF野村浩輔を武市は右外側から追い抜く。この動きがDFの対応を一瞬遅らせ、その隙を突いた野村の左足シュートがゴールへ突き刺した。

 7月26日に負傷した右足首の診断は全治3か月。夏休みは全くサッカーをすることができなかった。その中でチームメートは一週間前の1回戦を1-0で突破し、2回戦まで自分を連れてきてくれた。武市は昨年から中軸を担う注目MFだが、5日前に復帰したばかりで完調には程遠い。それでもシュート、おとりとなる動き、そしてディフェンスとピッチでできることをやり抜いた。

 チームは延長後半に追いつかれて試合はPK戦突入。武市は4人目を任され、3-1とリードして決めれば勝利の決まる状況で出番を迎えた。右足で放ったシュートはゴール左へ外れてしまったが、GKが早く動いたという判定で蹴り直しに。「(失敗した後に)みんなが笑顔にしてくれたんで、コイツらのためにも決めたら勝てると思ったし、キャプテンやらせてもらっているんで、そこらへんはしっかり決めて勝利に貢献したいと思っていた」という武市は2本目のシュートをゴール右隅に突き刺し、勝利を決めた。

 仲間たちに勝たせてもらったと感じている1、2回戦。次は自分が恩返しする番だ。「きょう出れていないメンバーにチャンス与えるのがキャプテンの仕事というか、出ているメンバーの仕事だと思う。1、2年生もしっかりまとめていきたい」と誓う。そして「自分がいない中で副キャプテンの野村と田中千寛がよくやってくれた。3年生中心に2年生もしっかり思い背負ってやってくれている。この夏はみんなよく頑張ったし、いろいろな人に感謝している。勝つことがいろいろな人への恩返し。自分の力を出して全部勝ちたい」。まずは成立学園高と戦う準々決勝でより貢献できるように、コンディションを上げる。

(取材・文 吉田太郎)
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