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[練習試合]底上げに手ごたえ示すU-18日本代表、鈴木徳真「責任と誇りを持って予選を勝っていきたい」

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[9.24 練習試合 U-18日本代表 3-0 磐田 ヤマハ]

 手ごたえと課題を感じながら、格上から勝利を挙げる――U-18日本代表にとっては収穫の多いゲームとなった。24日にヤマハスタジアムで行われたジュビロ磐田との練習試合は、45分2本の前後半で大幅に選手を入れ替えて戦ったが、3-0で快勝。磐田が前日の公式戦に先発したメンバーを除く構成だったとは言え、プロでの経験豊富な選手たちを相手に見事な勝利を挙げた。チームは10月2日に開幕するAFCU-19選手権予選に向けた最終合宿の最中。練習試合では軽傷のFW岸本武流(C大阪U-18)とGK小島享介(早稲田大)を除く21人が出場し、順調な調整ぶりをアピールした。

 内山篤監督は「攻撃は、奪ってから早く攻めること。今日は前半にいくつか良い場面が見られた。あとは、相手に引かれたときにもしっかりとチャンスメークをする部分がテーマ。くさびの縦パスが入ったときにスピードアップし、サイドを起点にすること。サイドからやり直してばかりでなく、相手が嫌がるプレーをしないといけない。一度で合わなくても、バランスを保ちながら拾って二度攻撃をすることは徹底してやっている。ゴールの匂いがするプレーをしていかなくてはいけない。守備は、ボールサイドを同数にしてインターセプトを狙い、2回、3回と狙い続けることを再確認のテーマとしている。ほかはコンディションを揃えることと、セットプレーを磨くこと」と最終合宿のテーマを明かした。

 右MF堂安律(G大阪ユース)を起点に速攻が目立った前半は、PKとセットプレーで2得点。大きな手ごたえを得た。一方、後半は、磐田が圧力を強めて来たためにペースを奪われたが、粘り強い守備で対抗。何度かサイドを破られたが、中央からフリーでシュートを打たせる場面は最小限に抑えた。攻撃面では、豊富な代表歴がありながら、このチームに関しては6月の中国遠征が初招集だったMF鈴木徳真(筑波大)のゲームメークから、右MF岩崎悠人(京都橘高)が躍動。ドリブルで相手を押し下げながら、両SBの攻撃参加を呼び込み、クロスボールからのチャンスメークを見せた。終了間際に挙げた3点目は、フィジカル能力に長けたFW一美和成(大津高)が相手との競り合いでタッチライン際のボールをピッチ内に残し、ラストパスを岩崎が決める形だった。

 主導権を握ったとは言えない展開で、鈴木は「奪ったボールを(サイドへ)散らす安全な攻撃しかできなかった。相手の上原力也に縦パスをつけられていた場面があって、同い年なのに差を感じた。ああいうふうにもっと効果的に縦パスをつけられれば良かった」と課題を挙げたが、押され気味の流れでも的確に攻撃の機会を作れたことは手ごたえとなる。鈴木は「高いポジションを取ってプレーできれば良かったけど、相手が流動的に動いていたし、押されてもいた。リアクションにはなったが、その中で攻撃のチャンスは作れていた。練習していた通りのところがあったのは良いこと。予選では、日本を代表するチームという責任と誇りを持って、一戦ずつ勝っていきたい」とポジティブな姿勢も示した。

 鈴木の主戦場であるボランチは、主将の坂井大将(大分)と攻撃的MFをこなせる堂安、佐々木匠(仙台ユース)のどちらかが入る組み合わせが多いが、何が起こるか分からない大会を見据えれば、全体の底上げは欠かせない。クレバーでバランス感覚に優れた鈴木のプレーぶりに、内山監督も「もっとコンディションが上がれば、守備面でも生きる。経験が豊富だし、バランスが取れる。メンタル的にも安定している」と期待を込めた。総力戦で「強い日本」を見せつけられるか。チームは26日に静岡産業大と最後のテストマッチを行い、予選の開催地であるラオスへ飛び立つ。

(取材・文 平野貴也)

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