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プロデビュー戦がようやく成立…横浜FM仲川「ちょっと変な感じです」

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[10.11 天皇杯2回戦再開試合 横浜FM 3-1(延長) MIOびわこ 日産]

 ようやくプロデビュー戦が成立した。横浜F・マリノスMF仲川輝人は9月6日に行われた天皇杯2回戦MIOびわこ戦の後半開始からピッチに送り込まれ、プロとして初めて公式戦のピッチに立った。しかし、後半28分に豪雨のため中止となり、プロデビュー戦の成立は10月11日の再開試合を待つこととなった。

 そして迎えた再開試合。右サイドハーフの位置に入った仲川は鋭い動きを披露する。持ち味のドリブルで好機を生み出すだけでなく、延長前半4分には右SBのDF奈良輪雄太のクロスに飛び込んで決定的なシュートも放った。

「今日はサイドを多く使おうという狙いがあったので、自分がちょっと中に絞って奈良輪選手のスペースを空けようと思っていました。その中で、自分も間でボールを受けてターンからチャンスも作れたので、そこは良かったと思います」

 シュートをGKに阻まれた場面は「GKに当たってしまったという感じです。そこまでの形はすごく良かったし、あとは僕が決めるだけだったので、練習しないといけません」と振り返り、悔しさを滲ませた。しかし、36日かけてようやく成立したプロデビュー戦については「ちょっと変な感じですね」と笑って答えている。

 専修大在学時に関東4連覇を成し遂げた仲川だったが、14年10月に右ヒザの前十字靭帯、内側側副靱帯断裂などの大ケガを負い、同年12月には手術を受けた。15年1月に行われた新体制発表会には松葉杖をついて登場し、「ケガをしてしまったことは仕方がないので、まずは復帰を目指して頑張ります」と意気込みを示していた。

 負傷離脱していた間は、「多少は焦りもありました」と話しつつも、復帰後に自分に何ができるかをイメージしていた。「チームのために何ができるかを探しながらリハビリしていました。その答えが、自分の良さである裏に抜ける動きを出すこと。それは(エリク・モンバエルツ)監督も求めている動きでもあったので、そこを突き詰めることで少しずつ出場機会が得られたと思っています」。リハビリの期間も無駄にしなかったことが、リーグ戦で出場機会を得るにことにつながったと胸を張って答えた。

 少しだけ出遅れてしまったかもしれない。しかし、23歳の若武者は今後の巻き返しを誓う。「残り少ないシーズンになりましたが、とりあえず点を取って、ホッとしたいです。やっぱり僕の仕事は点を取ることだと思っているので。ヒザも少しずつ良くなり、コンディションも徐々に上がっているので、チームの勝利のためにも点を取りたい」。今シーズン中にゴールを奪う――。力強い眼差しで語った。

(取材・文 折戸岳彦)

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