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[選手権予選]試合終了間際に決勝点!5年ぶりの選手権へ、大分鶴崎が準々決勝突破:大分

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[11.1 全国高校選手権大分県予選準々決勝 大分南高 0-1 大分鶴崎高 三光総合運動公園]

 第94回全国高校サッカー選手権大分県予選準々決勝が1日に三光総合運動公園で行われ、大分鶴崎高が1-0で大分南高を下して、大分西高と対戦する準決勝へ進出した。

 5年ぶりの選手権出場を目指す大分鶴崎と、昨年度は選手権予選ベスト4に初めて進出した大分南が準々決勝で相まみえた。以前、大分鶴崎の指揮を取っていた三重野英人監督が、現在は大分南を率いるという巡り合わせにも注目が集まったこの一戦。「三重野先生は大分鶴崎の土台を作り上げて来た人。今の大分南のサッカーは昔の大分鶴崎がやっていたそのもの」と大分鶴崎・目匡弘監督が話すように、お互いの手の内は十分に知り尽くしている。その中で試合の主導権を握ったのは大分南だった。

 4-3-3のアンカーに入る技巧派レフティーMF法華津嵐(3年)を軸に中央で組み立て、シンプルにサイド攻撃を仕掛けるスタイルで序盤から好機を伺う。インサイドハーフのMF上原成貴(3年)などもサイドに顔を出し、攻撃に厚みを持たせた。一方の大分鶴崎は、中津東高の連覇をストップした3回戦同様に3-3-3-1をベスト4進出が懸かる戦いでも採用。1人1人のカバーするエリアが広くなる中で、豊富な運動量と球際の激しさで大分南に真っ向からぶつかっていった。

 スコアが動かないまま迎えた後半は大分鶴崎の運動量が徐々に落ち始め、大分南の攻撃陣が相手陣内へと攻め込むシーンが多くなった。9分にはMF渡邉鷹也(3年)の左クロスからFW後藤功貴(3年)がシュート。その後も幾度となく前線にボールを運ぶが、ゴールを奪うまでには至らなかった。すると、後半は我慢の展開が続いていた大分鶴崎も反撃。20分にカウンターから右MF長冨瞬也(3年)が左サイドを駆け上がり、中央のFW丸山涼我(2年)が左足で合わせるが枠を捉え切れない。

 そんな拮抗した展開の中で、試合が動いたのは試合時間が残り5分を切ってからだった。互いに疲労の色が濃くなり、延長戦も視野に入り始めた37分。大分鶴崎は長冨が左サイドを突破し、左足でシュートを放つ。ここは大分南GK國松陸(3年)が好セーブを見せたが、このこぼれ球をMF遠藤輝(2年)が頭で押し込んで待望の先制点。「足を怪我していて、あまり調子が良くなかったから代えようかなと思っていた。でも、守備もやってくれていたし、走れていたからもう少し交代を引っ張った」(目監督)と、ギリギリまで指揮官がピッチに立たせた遠藤がが試合を決めるゴールを決めて大分鶴崎が2年ぶりのベスト4進出を決めた。

「元々、2回戦までは4-1-4-1をやっていました。でも、3回戦の相手だった中津東さんはマンツーマンディフェンスをしてくるので、相手を剥がすために3-3-3-1にして、サイドのスペースを作ろうと思った。なので、今日もこれで行こうと。大会前にやった時はしっくりこなくてやりにくそうなところがあった。でも中津東戦前にやったら上手くいったのでこれで行こうと決めました」と大分鶴崎・目監督は話す。もちろん、3-3-3-1という特異な布陣は一人ひとりの運動量が求められ、何よりも攻撃時での組み立てが難しくなるという問題を抱えていたと話す。しかし、個人の技量や戦術理解が深まり、自分たちのモノにしてみせた。悲願の全国大会出場まであと2勝。今の3年生は1年生時に決勝で敗れた試合の記憶が脳裏に焼き付いている。今回こそは、という想いを持つ選手たちはまずは準決勝を突破し、リベンジの舞台への挑戦権を勝ち取る。

(取材・文 松尾祐希)
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