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流れ一変の後半10分の2枚替え…5分4発を引き寄せた控え2選手「自信を持ってやれた」

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[11.22 J1第2S第17節 G大阪4-0山形 万博]

 流れが一変した。スコアレスで折り返した後半、ガンバ大阪は一気に動いた。10分、長谷川健太監督は、右SBのオ・ジェソクに代えて、より攻撃的なDF米倉恒貴を投入。そして負傷のMF倉田秋に代えてFW長沢駿を送り込み、リズムに変化を与えた。

 すると6分後の後半16分、まずはFW宇佐美貴史のクロスのこぼれ球をMF大森晃太郎が押し込み先制。直後の同18分にも宇佐美のグラウンダーのクロスを大森が蹴り込み、流れを一気に引き寄せる。

 そして途中投入された2人が試合を決める。後半19分、左サイドにいた宇佐美のクロスを技ありヘッドで長沢が流し込む。同21分にはCKを米倉が頭で合わせて、わずか5分間の怒涛のゴールラッシュを締めくくった。

 戦術的には長沢が入ったことにより、前線に明確なターゲットが出来たことが、攻撃面にいい影響を与えていた。「最近はコンディションもいいので、自信を持ってやれた」と長沢。この日は出場停止だったFWパトリックの代役として余りある活躍だったが、「パトリックのようなプレーはできない。自分のできる仕事をやろうと思った」と充実の汗をぬぐった。

 米倉はベンチスタートとなった大一番に燃えていた。前々日にベンチスタートを告げられたという米倉だが、「0-0で攻撃的に行きたいときはあるぞと言われていた。結果を出せなくなったら次はない。こういう時こそしっかりやらないといけないと思った」と気持ちを高めながらベンチで出番を待った。

 そして思いを爆発させる。得点の場面についても途中投入のため、本来はニアに走り込むCKのポジショニングが分からなかったのだという。「ボール来そうなところに行ったら来ました。ここら辺に来そうだなというところに行ったら来ました」と冗談交じりに答えたが、まさに気持ちが乗り移ったゴールになった。

 チームは逆転で年間3位に入り、チャンピオンシップ出場権を獲得した。準決勝は28日、埼玉スタジアムで浦和レッズと対戦する。「初めてなので全く分からない。どれくらい盛り上がるのかもわからない」とした米倉も、「試合がある以上、しっかり結果を出さないといけないと思う。ここまで来たからには優勝するしかない」と力を込めた。

(取材・文 児玉幸洋)
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