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[プレミアリーグWEST]今年の京都らしさ見せたゲーム、京都U-18が2位・大分U-18とドロー

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[11.29 高円宮杯プレミアリーグWEST第17節 京都U-18 2-2 大分U-18 サンガタウン]

 高校年代最高峰のリーグ戦、高円宮杯U-18サッカーリーグ2015 プレミアリーグWEST第17節が29日に行われ、6位の京都サンガF.C. U-18(京都)と2位の大分トリニータU-18(大分)が対戦。ともに前半2点ずつ奪ったが、後半は両者スコアを動かすことができず、2-2の引き分けに終わった。

 大分のホームで戦った前期、京都は開始6分にMF門司康成のゴールで先制しながらも、前後半に1点ずつ失って逆転負け。京都にとって今節はホーム最終戦でもあるだけに、「絶対に勝ちたいという想いが強い試合」(森岡隆三監督)だった。しかし、先制したのは大分。前半9分、「サイドの仕掛けはクオリティーが高いのは、分かっていた」(森岡監督)と警戒していたサイドを崩されると、右のMF鷺原拓也がゴール前に上げたクロスをMF野上拓哉にダイレクトで合わされて失点した。

 だが、MF荻野広大が「いつもたくさん点が獲れているので焦りはなかった」と語り、FW沼大希も「点を獲れる自信はあった」と口にしたように、京都に焦りの色はなし。「2点目を獲ろうという気持ちではなく、ボールを保持しようという方向に意識がいっていた」(山崎哲也監督)という大分の隙を突き、セットプレーから活路を見出す。14分にエリア左でのFKを沼が直接狙ったが、これはわずかに右。17分に右CKのこぼれ球からMF守屋圭幾がゴールを狙ったが、これもGKの正面に終わった。

 ため息を誘う場面が続いた京都だったが、25分に中央をドリブルで持ち上がったMF武市穣太がPA手前からシュートを突き刺し、試合は振り出しに。33分にはエリア右を抜け出した武市のパスをゴール前の沼がゴール左に流し込み、一気に逆転した。しかし、その歓喜もつかの間。大分は36分、右サイドの崩しからゴール前で鷺原が合わせ、最後はこぼれ球を野上が押し込んで同点に追いついた。

 後半も一進一退の攻防が続き、13分には京都が相手エリア右でFKを獲得。再び沼が直接狙った一撃はゴール左の絶妙な位置を突いたが、惜しくもポストに直撃した。大分も15分にMF酒井将輝のパスを受けたFW吉平翼が強引な突破でPAまで持ち込み、フリーでシュートを放ったが、GK外山佳大のセーブに阻まれた。25分には再び京都。右サイドを上がったDF岸本大地がゴール前にパスを展開。ニアで守屋がつぶれ、こぼれ球にMF田中康介が反応したが、DFに当たってCKに。33分には右CKからDF麻田将吾がヘディングシュート。ボールはDFに当たってゴールラインを割ったかのように思えたが、主審に認められない。結局、2-2のまま試合終了を迎え、勝ち点1を分け合う結果に。沼は「正直勝てた試合だった。チャンスの数的にも多かったので、あと1点獲りたかった」と口にした。

 京都は、試合前に保護者など選手を支えてきた人たちのビデオメッセージを視聴。「もちろん勝ちたい試合だったけど、勝ち負け以上に皆の想いに応えるために100%の力を出そうと選手たちに伝えていた」(森岡監督)。開幕から数試合は、試合終盤に足をつる選手も多かったが、この日は最後まで全員が戦う姿勢を失わず。「精神的にタフになったと思う。失点しても動じなくなったし、ズルズル引きずらなくなった」(森岡監督)ことは、一年の成果と言える。

 戦いぶりは山崎監督が「京都さんが強いという試合だった。ホーム最終戦で結果を残したいという強い気持ちを感じたし、個の能力も高かった。上手いし、強いし、早かった」と認めたほどで、結果は引き分けに終わったが、収穫は少なくない。「あれだけゴール前のシーンが多いのは、今年の真骨頂。ベンチからワクワクドキドキさせてもらった」と森岡監督が口にしたように、今年の京都らしさが見えたゲームだった。

(取材・文 森田将義)
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