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[MOM360]明治大MF瀬川祐輔(4年)_イメチェンボレーで好発進 「得点王を狙う」

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[大学サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.10 全日本大学選手権2回戦 明治大3-0中京大 川口]

 鋭い縦パス、思い切ったミドルボレー、切れ味鋭いドリブル突破。6年ぶりの日本一を目指す明治大(関東2)の好発進に大きく貢献したのは、サイドハーフのMF瀬川祐輔(4年=日本大二高)だった。右サイドで先発すると、前半23分にFW藤本佳希(4年=済美高)へ鋭いパスを供給。藤本のポストプレーからエースのFW和泉竜司(4年=市立船橋高)が先制点を挙げた。

 起点となった瀬川は「ボランチの差波(優人)が持ったときに、右DFの早坂(龍之介)が高い位置を取ってくれれば、間が空くのは分かっていた。あの場面は、差波が持ったので、とりあえず中に入った。ボールを受けて前を向けると思ったし、前が空いていたので、最初は自分で行こうと思った。でも、その前に一度、佳希に斜めのパスを入れたときに、ここを狙っておけば崩れるんじゃないかと思っていた。前に佳希がいて、竜司がいるのも見えていたので(パスを選んで)つながって良いゴールになったと思う。イメージはできていた」と、描いた通りのゴールだったことを明かした。

 ポジションを左右入れ替えて臨んだ後半には、強烈な一撃。後半14分、MF差波優人(4年=青森山田高)が右から上げたクロスに対して、中央へ寄って行くと、そのまま右足でボレー。勢いを巧みに抑えた冷静かつ大胆な一発は、ゴール右上に突き刺さった。

 瀬川は「自分でもビックリした(笑) センタリングに対して入って行こうと思っていたし、当てるだけ。あそこでトラップするイメージはなく、ワンタッチで行こうと思った。大学に入ってからのプレーはドリブルが多いので、ボレーを打つイメージはないかもしれないけど、以前はボレーも不得手ではなかったし、昔のプレーができたかなとも思う。多分、大学に入ってからはボレーでの得点は初めて」と自身のゴールを振り返った。

 試合全体を通じて、得意のドリブル突破も披露。先発ポジションを確固たるものにできず、試合勘が鈍ったことから、得意としているはずの1対1の局面で自信がなくなっている自覚を持った時期もあったというが、夏以降は出場機会を獲得して自信を回復。「スピードには自信があるし、自分の間合いで仕掛ければ行ける。今日は、後半20分過ぎから運動量が落ちてしまったが、前に仕掛ける意識を持つようにと監督からも言われていたので、その部分に関しては前半からチャレンジできていたと思う」と笑顔を見せた。

 トーナメントで最も難しいと言われる初戦で、得意のドリブルに加えて、パスとシュートでも存在をアピール。しかし、卒業後の進路は、未定だ。この先の活躍次第で選択肢を増やすことができれば個人としても大きな意味を持つ。

「まだ日本一を経験したことがないし、夏は総理大臣杯で2位と悔しい思いをした。決勝戦では自分も緊張し過ぎてパフォーマンスが良くなかった。絶対に優勝したい。まず、チームが日本一になること。自分自身はリーグで3点くらいしか取れていないし、得点することでもっと勢いに乗れることは分かっている。だから、得点王を目指して頑張りたい」と意気込んだ。プレーの幅を示し、得点力で説得力を持たせられるか。紫紺のサイドアタッカーが集大成の舞台で燃えている。

(取材・文 平野貴也)
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