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[大学選手権]明治大が和泉、藤本らプロ内定組の活躍で中京大に3発快勝

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[12.10 全日本大学選手権2回戦 明治大3-0中京大 川口]

 冬の大学日本一を決める、第64回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)は10日に各地で2回戦を行い、川口市青木町公園陸上競技場で行われた第2試合は、明治大(関東2)が3-0で中京大(東海3)に快勝した。

 明治大は、名古屋グランパス内定のFW和泉竜司(4年=市立船橋高)が先制点を奪い、ファジアーノ岡山内定のFW藤本佳希(4年=済美高)も1アシストとPK獲得で勝利に貢献。MF差波優人(4年=青森山田・ベガルタ仙台内定)は、2点目をアシスト。DF山越康平(4年=矢板中央高・大宮アルディージャ内定)はPKで3点目を奪うなど、果敢な攻撃参加からクロスを供給し続けた左DF高橋諒(4年=国見高・名古屋内定)を含め、来季プロ入団内定の5選手全員が先発で勝利に大きく貢献。U-22日本代表に招集されたDF室屋成(3年=青森山田高)を欠いても迫力の落ちない強さを発揮して準々決勝へ駒を進めた。

 明治大の栗田大輔監督は「昨年(初戦敗退)の反省を含めて、攻守に積極的に行くことは統一して臨んだ。ただ、もっとできるし、まだまだ。(3回戦で対戦する)第1試合を勝った順天堂大も強かった。リーグ戦のときとは全然、質が違う。一戦一戦、勝ち上がって行きたい」と殊勝なコメントに終始したが、圧倒的な戦力差を見せつける勝利だった。

 試合は、両サイドを使って攻撃を組み立てる明治大に対し、中京大はFW水野翔太(2年=東邦高)をターゲットとしたロングボールと、FW橋本裕貴(3年=桐光学園高)のドリブルからカウンターを狙って応戦するという形でスタート。立ち上がりは、両チームに好機があった。

 明治大は8分に藤本のクロスへ左MF土居柊太(2年=浜松開誠館高)が飛び込んだが、相手GKが前へ出てブロックした。15分には中京大が相手のミスパスをカットしたMF青木捷(4年=大宮ユース)からショートカウンターを発動。水野翔がシュートを放ったが、枠を外れた。

 15分を過ぎると、明治大が押し込む場面が増加した。20分に左CKのこぼれ球を差波がダイレクトボレーでゴールへ飛ばしたシーンは、中京大のGK川村慎(2年=清水桜ヶ丘高)のビッグセーブで防がれたが、23分にはMF瀬川祐輔(4年=日本大二高)が右から斜めに入れたパスを藤本が落とし、和泉が鮮やかに先制ゴールを挙げた。また前半終了間際には、高橋のクロスから和泉がヘディングシュートを放ったが、クロスバーに嫌われた。

 1-0で折り返した後半も、明治大の優位は揺るがなかった。後半14分に右から差波が上げたクロスを後半から左サイドへポジションを変えていた瀬川が、しっかりとミートしたダイレクトボレーでゴール右上にたたき込んで追加点を挙げた。

 後半21分には縦パスを受けた瀬川の横パスを藤本が狙い、ポスト直撃のシュート。途中出場のMF道渕諒平(3年=仙台ユース)、MF三苫元太(4年=福岡U-18)らがドリブルで力強くシュートへ持ち込む場面もあり、リードをしても攻め手を休めずに強さを示した。

 そして終盤の後半32分には藤本が右から中央へと切り込んでPKを獲得。交代した和泉からキャプテンマークを受け取っていた山越がきっちりと決めてダメ押しの3点目を奪った。中京大は最終ラインで1年生のDF村瀬大地(1年=岐阜工高)らが体を張り、青木のロングパスを起点にハイサイドを狙ったが、シュートへ持ち込むことができず、1点を返すには及ばなかった。

 隙のない強さを見せつけた明治大のDF山越は「守備では相手の9番(水野翔)に入れて来るボールをしっかり跳ね返すことと、あとは10番(橋本)が上手いので、ボランチがマークするか、僕たちCBがマークをするかを話しながら対処して、うまく出来ていたと思う。昨年は初戦で負けているので、初戦が一番大事だと認識して臨んだ。先制できて落ち着くことができたし、ミスがあった所は課題だけど、まずは初戦を失点ゼロに抑えて3点取って快勝できて良かった」と試合を振り返った。

 目標は、あくまでも優勝。夏の総理大臣杯は決勝で敗れて悔しい思いをしているだけに、この大会にかけるチームの思いは強い。まだ初戦を勝っただけと言わんばかりの雰囲気が本気度を感じさせる。明治大は、13日に行われる準々決勝で順天堂大(プレーオフ)と対戦する。

(取材・文 平野貴也)
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