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[新人戦]「ここから上がっていけばいい」柏日体は柏から派遣の元代表MF、酒井直樹HCの下で千葉制覇狙う

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[1.30 千葉県高校新人大会Eブロック準決勝 柏日体高 0-3 専修大松戸高 柏日体高G]

 昨年、関東大会予選で準優勝し、高校総体予選、高校選手権予選でも8強入りしている柏日体高にとっては痛恨の敗戦。0-2の後半は大きく改善されたが、特に前半はスリッピーなピッチの影響か、技術レベル高い選手たちのプレーにどこか余裕がなく、ジャッジを欠いたプレーで差をつけられてしまった。

 千葉の強豪・柏日体高は昨年2月に地域密着の考えを持つ地元のJ1クラブ・柏レイソルと相互支援契約を結び、新たな強化へ乗り出している。柏から柏日体へ指導者が派遣され、柏日体は柏レイソルのメソッドを日常から学び、また選手が柏U-18のトレーニングに参加するなどの強化が行われてきた。そして今年1月からはかつて柏で活躍(“柏のプリンス”のニックネームも)した元日本代表MFであり、柏の育成組織で12年間に渡って指導してきた酒井直樹氏が柏から柏日体ヘッドコーチとして派遣されている。今月19日に柏日体の指導を始めたばかりの酒井ヘッドコーチにとって今回の新人戦は初めての公式戦。準備期間が短かったとはいえ、この日は悔しい敗退となった。

 それでも片野慶輝監督が「熱心に、きめ細かくやってもらっていますね」と評するように、酒井ヘッドコーチは「ナイスプレー」などの言葉を交えながら選手に繰り返し、熱心なコーチング。専修大松戸高戦敗戦の約2時間後に行われた習志野高との練習試合でもピッチサイドからチーム、選手個々に声をかけ続け、選手たちに「気づき」をもたらそうとしていた。「(選手と自身の感覚を近づけ、)ボクのやろうとしていることを理解してもらうために声かけたり、話したり、(狙うのは)『この時だよ』と伝えたりしています」。その姿勢はとにかく一生懸命。酒井ヘッドコーチは「一生懸命、ひたむきにやる。それが信念ですから。一生懸命にひたむきにやった子がチャンスもらえるし、見えてくる世界が変わってくる。それが12年やってきたこと。本気で接しないと薄っぺらいものになってしまう。だからボクも一生懸命。突き詰めてやらないといけない」。就任したばかりでまだまだ選手との間に壁があるかもしれないと感じている。その中でも“人情派”という酒井氏は姿勢を変えずに選手たちが意識を変え、「本気になる」ための後押しを「熱く」続けていく。

 昨年、柏日体は柏から派遣された永井俊太ヘッドコーチ(元柏MF、現柏U-18コーチ)の下で1年間トレーニングを行ってきた。選手権予選準々決勝で優勝した市立船橋高に競り負けるなど全国進出こそ逃したが、片野監督も「レイソルのサッカーがトップチームから下のチームまで浸透してきた」と評したようにチームは着実に積み上げ、成長することがてきている。そして今年、柏U-15で数多くの選手を育成し、チームを全国上位へ押し上げてきた“指揮官”の下でどう変化するか。まずは日常から。酒井ヘッドコーチは「学んでいくこと、気づかせることによって、見える世界を広げてあげることによって、『楽しい』となると思う。数学もわからない問題見ているだけでは楽しくないけれど、解ける、解けるとなれば楽しくなると思う。気づいたり、成功体験をしていくこと」。トレーニングを通じて何かを獲得する。そしてトレーニングでやったことを試合で表現し、勝ちながらまた学んでいく。その積み重ねとともに結果を出せる個、チームになる。

 酒井ヘッドコーチをして「ボクが見ていてもレイソルの選手にはない(形の)、ポテンシャルをもった選手がいる」というほどの素材が柏日体にはある。ここから飛躍できるか、どうかは選手次第。この日の試合で欠いていたジャッジし続ける部分などを改善し、自分たちのサッカーを追求して自信を持ち、試合では相手を意図的に動かして、つくり出したスペースを攻略してゴールと白星をつかむ。「(0-3の黒星で)厳しいスタートになりましたけれど、(こういう逆境は)嫌いじゃないので。ここから上がっていけばいい」という酒井ヘッドコーチとともに「とても大事」な2月、3月で意識を変えて、積み上げて、柏日体が今夏、来冬に舞う。

(取材・文 吉田太郎)

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