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[デンチャレ]関東Aは東海・北信越選抜を下す、GK服部がPK2本ストップ!!

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[3.4 第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会1回戦 東海・北信越選抜 1-1(4PK5) 関東A選抜 宮崎県総合運動公園第3競技場]

 各地域の大学選抜チームと全日本大学選抜の8チームによって行われる「第30回デンソーカップチャレンジ宮崎大会」が4日、宮崎県宮崎市で開幕し、東海・北信越選抜と関東A選抜が対戦。1-1で90分を終えてPK戦までもつれたが、PK戦で2本のキックを防いだGK服部一輝の活躍によって、関東Aが勝利した。

「初戦なので難しいと思っていたし、監督からコーチからも前年度、苦しい戦いを勝ってきたということや、過去に関東Aが優勝した時も苦しい戦いを勝ち抜いていったと聞いていたので今日も苦しい試合になることは分かっていた」。

 関東A選抜のMF鈴木徳真(筑波大1年=前橋育英高)がそう口にしたように、前半は両者見せ場を作りながらもゴールを決めきることができず、拮抗した展開が続く。それでも、前半39分には関東AのMF古橋匡梧(中央大3年=興國高)が左前方でFKを獲得。相手ゴール前に一度は弾かれたものの、DF新井純平(早稲田大3年=浦和ユース)がゴール前にクロスを入れて、古橋がシュートを狙ったが、ゴールネットを揺らすことができない。

 同45分にもMF塚川孝輝(流通経済大3年=広島観音高)が中盤でのインターセプトから前進し、左前方にスルーパス。FW松本孝平(国士舘大3年=藤沢清流高)にボールが渡ったが、相手DFのスライディングに阻まれ、シュートが打てない。対する東海・北信越選抜も前半終了間際に右サイドを抜け出したMF橋本裕貴(中京大3年=桐光学園高)のパスからFW大野燿平(常葉大浜松キャンパス3年=帝京高)がシュートを放ったが、GKの正面に終わり、前半を終えた。

 後半は「自分が出したいイメージが、前半はうまく味方とかみ合わなかった」(鈴木)という前半から一転し、呼吸が合い始めたことによって、鈴木、MF塚川孝輝のダブルボランチを起点としたボール回しが機能し始める。後半4分には鈴木のパスから右サイドを上がったDF新井純平へ。中央に繋いで、FW山内寛史(早稲田大3年=國學院久我山高)にボールが渡ったが、タイミングよく前に出たGKに阻まれシュートが打てず。

 同20分には鈴木から左サイドのMF扇長聖(中央大3年=帝京三高)へとボールが渡り、攻撃参加したDF小口大貴(専修大3年=川崎F U-18)がゴールを狙ったが、枠を捕えることができない。時間の経過と共に関東A選抜が厚みの攻撃を繰り出し、相手を押し込む場面が増えたが、「ゴール前でしっかり体を張るし、キーパーとDFラインの連携がとれていた。魂とか気持ちを感じた。今日は関東Aが何かをしたというよりも、相手チームが『身体を張っていた』というイメージしかないはず」という鈴木の言葉通り、DF西村佳祐(中京大3年=清水ユース)を中心に身を投げ出した東海・北信越選抜が決定機を防ぐ時間が続く。」

 それでも、35分には右サイド、フリーで受けたMF道渕諒平(明治大3年=仙台ユース)のクロスから、中央に飛び込んだ翁長がダイレクトシュートを決めて関東Aが均衡を崩したが、直後の39分に大野に得点を許し、試合は振り出しへ。

 終了間際には、途中出場のDF高野遼が入れた左クロスが相手GKを揺さぶり、ラストは塚川がゴールを狙ったものの、GK臼井健一郎(常葉大浜松キャンパス3年=岐阜工高)の懸命なセーブに阻まれ、勝敗はPK戦に持ち込まれた。ここでも均衡した展開が続いたが、関東Aの守護神・服部一輝(明治大3年=札幌大谷高)が2本のキックを防いで、関東Aが勝利し、準決勝へと駒を進めた。

 関東Aは苦しい勝利となったものの、「守備で体を張ることをベースにしていて、ボールをしっかり奪いに行く、球際で負けない、1対1でかわされないことを監督から求められている」(鈴木)点に関しては次第点以上の出来を見せた。鈴木も「勝ったことは嬉しいけど、俺がピッチを出てから、得点が決まったので悔しい」と笑いながら、「チームが勝てたこと、優勝に一歩、近づいたことが一番大きい」と胸を撫で下ろした。

 目標は2007年以来、遠ざかっている頂点の座。「一個上、二個上の先輩ばかりだけど、『先俺に任せろ』という器を全員持っているので、チームとしていやすい。先輩に頼れるし、俺に任せろとも言いやすい」と鈴木が話すように、チームの雰囲気は良く、ボルテージは上がっている。

「優勝することしか考えていない。監督から勝ちに拘れと言われるし、サッカーをやっているからには勝つのが一番。『負けることから学ぶことがある』なんて言いますけど、負けることを真っ先に考えていたら、全く意味がない」。鈴木がそうきっぱりと言い切ったように、残り2試合も勝つことしか考えていない。

(取材・文 森田将義)

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