[4.30 J1第1ステージ第9節 横浜FM 0-1 湘南 日産]

　横浜FM守備網を切り裂く鮮やかなスルーパスが湘南ベルマーレMF菊池大介からFW高山薫へと届けられる。ボールを受けた高山は「本当に良いパスをくれた。これは決めないといけないと思った」。

　開幕から8試合未勝利の湘南は序盤から横浜FMにシュート場面を作られる一方、なかなか攻撃の形を作れずに苦しんでいた。しかし守備陣が耐えしのいで前半をスコアレスで折り返すと、後半3分に決定機を創出する。

　左サイドのFW藤田祥史からボールを呼び込んだ菊池が中央に向かってドリブルを開始。ボールを持つ菊池は「冷静になれていて周りがすごく見えていたし、薫くんがすごく良い動きをしてくれた」と逆サイドからゴール前に走り込む背番号23の動きを視野に捉えると、「ボールが来るというフィーリングが練習からあった」と振り返る高山にドンピシャのスルーパスを届ける。

　ボールを受けた高山は「ゴロでは入らないと思ったので、ちょっと浮かしたけど、ほぼ勢い」と右足で豪快にネットを揺らし、値千金の先制ゴールを奪った。この1点を守り抜いたチームは、今季初白星をようやく獲得。高山は「これだけ勝てないことはなかなかないので、いつもの勝利とはちょっと違ったかもしれない」と充実感を示した。

(取材・文　折戸岳彦)

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