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[関東]法政大は流経大に逆転勝ちで3位キープ、CKからDF山田がヘッドで決勝点!

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[5.30 関東大学リーグ1部第9節 流通経済大1-2法政大 多摩陸]

 第90回関東大学リーグ1部の第9節が29日に各地で行われた。多摩市立陸上競技場の第1試合では法政大流通経済大に2-1で勝利し、3位の座を守った。流通経済大は2連敗を喫し、降格圏の11位のままとなっている。

 試合は開始2分に早くも動く。流通経済大がPA手前右サイドでFKを獲得。DF小池裕太(2年=新潟U-18)が中へ入れたボールはクリアされるも、こぼれを拾って再び展開。PA手前正面のFWジャーメイン良(3年=流通経済大柏高)のスルーパスから、PA内右へ抜けたMF渡邉新太(3年=新潟U-18)がGKを前に冷静に右足シュート。これが決まり、流通経済大が先制した。

 なんとか追いつきたい法政大はサイド攻撃で相手を押し込み、チャンスを迎える。すると前半24分に同点弾。FWディサロ燦シルヴァーノ(2年=三菱養和SCユース)のパスから右サイドへ抜けたMF武藤友樹(3年=八千代高)が角度のない位置から豪快に右足を一閃。これがクロスバーの内側を叩くとゴールイン。1-1に追いついた。

 二度目のリードを奪うべく仕掛けた流通経済大は、前半35分に決定機。MF原岡翼(1年=大津高)の左クロスをファーサイドのジャーメインが倒れこみながら落とし、拾った渡邉がDFをかわしてシュートを放つ。勝ち越したかに思われたが、ジャーメインのオフサイドを取られ、得点は認められなかった。前半を1-1で折り返す。

 迎えた後半、なかなかスコアは動かない。流通経済大は1トップのジャーメインにボールが収まらず。2列目からの飛び出しで仕掛けていこうとするも、バイタルまで入れない。対する法政大はMF永戸勝也(4年=八千代高)が豊富な運動量で攻守に存在感をみせるも、得点にはつなげず。時間は過ぎていく。

 後半17分には武藤の右クロスがファーサイドへ流れ、永戸が折り返し。正面のMF川崎雅哉(3年=静岡学園高)が狙ったがクロスバー上へ外れた。同34分には左サイドからドリブルで仕掛けた永戸が自らシュートも、GKオビ・パウエル・オビンナ(1年=JFAアカデミー福島U18)に阻まれ、最後はDF橋本直哉(4年=流通経済大柏高)にクリアされた。

 その後も流通経済大の1年生GKを前に、あと一歩が奪えない法政大。同36分には左サイドスローインから、こぼれを拾ったMF青柳燎汰(2年=前橋育英高)がシュート。枠を捉えたがまたもGKの好セーブに泣いた。

 それでも2つの要素が絡み合い、試合を分けた。法政大は後半7分、前半に肋骨付近を傷めていたディサロを下げ、今節がデビュー戦となるルーキーFW松澤彰(1年=浦和ユース)を入れていた。これにより、セットプレー時には高さと強さを併せ持つDF山田将之(4年=青森山田高)と189cmの松澤が中で待ち構えることになっていた。

 一方の流通経済大は後半36分、法政大の裏への粘り強い攻撃に対応していたCB橋本が両足を攣って負傷交代。代わってDF今津佑太(3年=流通経済大柏高)が送られていた。

 そんな状況下で迎えた後半終了間際の44分、MF紺野和也(1年=武南高)のパスを受け、PA右の松澤が狙ったコントロールショットはGKに弾かれるが右CKを獲得する。

 途中出場のMF長倉颯(2年=横浜FMユース)が入れたボール。ゴール正面でフリーとなっていたDF山田将之(4年=青森山田高)がヘディングシュート。GKオビが一度は触れるも、痛恨のキャッチミス。後ろへ流れるとネットを揺らした。法政大が土壇場で逆転に成功した。

 90分を通じて、山田がセットプレーでフリーとなったのは、この瞬間だけ。それまではCB橋本が対応していた上に、CB塚川孝輝(4年=広島観音高)もフォローに入っていた。しかし、最後の最後で189cmの松澤と山田の2名を警戒するなか、浮き足立った流通経済大は守備で後手に回った結果、失点してしまった。

 この山田のゴールが決勝点となり、法政大が流通経済大に2-1で勝利した。試合後、最後のセットプレーを振り返った法政大の長山一也監督は「松澤が入って(守備が)分散していたこと。チームとして圧をかけ続けて、(橋本を)交代に追い込めたこと。チームとしてよく出来たと思う」と振り返った。

 混戦のリーグ戦。法政大は首位と勝ち点2差の3位につけている。勝ち点3を重ね続ければ、第7節終了時以来となる首位奪還の日はやってくるはずだ。指揮官は「これだけの混戦なので、連勝することが大事」と次節を見据えていた。

(取材・文 片岡涼)
●第90回関東大学1部L特集

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