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[プリンスリーグ関東]U-19代表の2年生CB橋岡大樹、あの時の謙虚さ持ち続けるために選んだ背番号「40」

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[7.9 高円宮杯プリンスリーグ関東第8節 浦和ユース 1-0 三菱養和SCユース 浦和駒場]

 1-0とリードこそしているが、10人で戦う浦和レッズユースは押し込まれる展開。この状況で“闘将”が燃えないはずがなかった。雨のピッチの中で放り込まれてくるクロスをダイビングヘッドでクリアし、周囲の「OK」という声を制して空中戦を競り合った。そして決定的なシュートをスーパークリアするなど好守連発。圧倒的な跳躍数によって終盤は足を攣らせていたが、それでも怯まないU-19日本代表CB橋岡大樹(2年)は勝利を決めると興奮した形相のままチームメートとハイタッチを繰り返した。

「自分的にはいいところもあったんですけど、変なところでダイビングヘッドでいってCKになったり、ああいうのがなくせればいい」。冷静さを欠いていた訳ではないが、チームを鼓舞するようなプレーがミスになっていた部分もあった。それだけに修正を誓っていたが、「(パートナーのCB関と)無失点で行こうと言っていた。1位と2位との戦いで絶対に負けられない。集中してできました」と三菱養和SCユースとの首位決戦を無失点で終えたことについては素直に喜んでいた。

 中学3年時からユースチームでプレーする橋岡は昨年、U-16日本代表の主将を努めて6月のインターナショナルドリームカップでは優勝とMVPの2冠も獲得した。圧倒的なヘディングの強さと、見る者の心に響くような闘争心溢れる守備。世代のリーダー格は今年、2世代上のU-19日本代表にも選出されるなど、周囲からも高い評価を得ている。その橋岡が今年浦和で背負う背番号は「40」。昨年から守備の柱であるCBは一桁の背番号をつける資格が十分にありそうだが、高校1年生だった昨年の「36」よりも大きな数字を背にしている。

 その理由は謙虚さを忘れないため。「中学3年の時、ずっと40番。初心に戻ろうかなと思ってつけています。(中学3年時は)一番年下で、一番ヘタっていうのが分かっていたので、自分が頑張ろう、頑張ろうと思って必死についていって、その時は謙虚さがあったと思う。その謙虚さをずっと忘れないように。自分で希望を出しました」。大槻毅監督から常に問われている謙虚さ。全ての選手が同じではないが、若くして評価を得ると、それに満足して謙虚さを失ってしまう選手もいる。それだけに、「トップに上がることは夢の第一歩、そこで活躍しなければいけない」というCBは謙虚さを忘れないために、あえて背番号40を背負っている。

 注目の2年生CBは今後、トップチームで練習する機会も増えそう。プレミアリーグ昇格や日本一という身近な目標はもちろん、将来の目標を達成するために「40」は謙虚に成長を目指す。

(取材・文 吉田太郎)
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