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[全中]負傷欠場の相棒のために…「足が遅い」暁星国際FW矢部優輝が「瞬間のスピード」で3戦連発

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[8.24 全中準決勝 暁星国際1-0周陽中 富山県総合運動公園ファミリー広場]

 この日も勝利に導いたのは背番号9だった。後半4分、FW矢部優輝はDF石火矢啓介からのロングボールで裏に抜けると、GKの脇を抜くシュートでゴールネットを揺らす。「1回戦で無得点だったことが悔しかった。自分の仕事をしないといけないと思った」。2回戦、準々決勝はともに2発。そして準決勝での得点は暁星国際中(千葉)を決勝に導く、会心のゴールになった。

 才能豊かなプレーを見せる矢部だが、足は「チームで一番遅いくらい」なのだという。そこで鍛えているのが「瞬間のスピード」。そして相手と駆け引きをすることで、足の遅さを補っている。

 ライバルである仲間のためにという思いが、好調を支える原動力となっている。暁星国際は今年のチームで矢部とともに全体の半分以上のゴールを積み重ねてきたFW前橋優輝が関東予選で鎖骨を骨折。今大会の欠場を余儀なくされた。

 10番の欠場。チーム内には動揺が走ったが、矢部はホテルで涙を流す相棒の涙を目撃したのだという。「俺がやんなきゃ誰がやるんだという思いでやっている」。2回戦の駿台学園戦では終盤の2点ビハインドを矢部の2得点で追いつき、延長で逆転する勝負強さを見せた。仲間のためにという思いが、チーム内に勝負強さを生んでいる。

 決勝は3連覇を目指す青森山田戦と相手にとって不足はない。「目標の全国一位を達成したい」。もう矢部の目には全国の頂しか映っていない。

 青森山田中対暁星国際中の決勝戦は25日、富山県総合運動公園陸上競技場で10時にキックオフする。

暁星国際中(千葉) 1-0 周南市立周陽中(山口)
[暁]矢部優輝(34分)

(取材・文 児玉幸洋)
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