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東京五輪の星・G大阪MF堂安律、4年後の理想は「一人でチームを勝たせる選手」

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リオデジャネイロ五輪が終わり、20年東京五輪へのスタートが切られている。20年を23歳以下で迎える1997年生まれ以降の全選手が「東京五輪世代」。中でも注目は、昨年英紙が選んだ「世界の将来有望な若手50人」に、日本で唯一選出されたMF堂安律(ガンバ大阪)だ。高校2年生だった昨年6月のJ1鹿島戦で16歳11か月18日のクラブ史上最年少記録でリーグ戦デビュー。そして今季、J3で得点を重ね、J1でもゴールを演出する活躍を魅せている“G大阪の至宝”は、東京五輪世代のU-19日本代表でも主軸を担う。その堂安にプロ契約1年目の今季について、今季から着用しているスパイク「マーキュリアル」について、そして東京五輪への思いなどについて語ってもらった。

―今季は高校3年生ながら、U-23で挑むJ3で7得点(第20節時点)。J1でも2ndステージ第8節の磐田戦で初アシストして勝利に貢献しました。プロ契約初年度のここまでを振り返ってみて、成長を感じる部分を教えてください。
「開幕からJ3に出ていたのですが、なかなかJ1で試合に出られず、『結果を出しているのに何でJ1のピッチに立てないんや。なんで使ってくれへんねん』という気持ちが正直ありました。でも、ノリさん(實好礼忠アシスタントコーチ兼U-23監督)から『オマエのプレー面がJ1で通用するのは分かっている。でも、『なんでJ1で試合に出られないの?』という気持ちが練習から出ているからダメだ』と指摘してもらい、メンタル面で成長できたと思います。柏戦(2ndステージ第5節)で試合に出られたのに、次の広島戦でメンバーから外れた時は悔しい気持ちもありましたが、態度を練習で出さずに済んだのはノリさんがいたから。『メンタル面で成長できたから、J1でも活躍できるようになっている』と言ってもらえて、嬉しかったです」

―自分自身でも練習態度に不満が出ていた自覚はあったのですか?
「ありました。でも、フタさん(二川孝広)とかオグさん(小椋祥平)はU-23の練習でも、めちゃくちゃ意識を高く持って練習をしていました。フタさんが東京Vにレンタル移籍する時に、ノリさんから『レジェンドのような選手ですら、どんな状況であってもちゃんと練習している』とも声をかけてもらって、自分みたいな若手が不貞腐れていてはいけないと感じました。あの人たちの背中を見て、自分もやらないといけないという気持ちが強くなったことも自分にとって大きかったです」

―J1での出場機会が増える中、今夏にはオランダの名門PSVからのオファーがありました。
「話を聞いた時は嬉しかったです。同時に、行きたいという気持ちと『まだガンバでは何もしていないから残りたい』という気持ちが入り混じってモヤモヤしていました。そうした中で、長谷川健太監督やフロントの人たちと話し合いの場を設けてもらって、愛されていることを改めて感じました。海外に行きたいという気持ちを受け止めてくれた上で、チームのことだけでなく、ホンマに俺のことを考えて話をしてくれているんだって。ジュニアユースから育ったガンバでもっと成長しようと思えましたし、愛着が更に増しました」

―先輩の宇佐美貴史選手がバイエルンに移籍した1度目の海外移籍は10代でした。何か話をしたりはしましたか?
「宇佐美くんからはロッカーが隣だったので、『律どうすんの?』って訊かれました。『行きたいんですけど、でも…』と答えると、『代表で海外に行く機会も多いし、Jで活躍してれば話はまた勝手に来る。1、2年Jで活躍してからでも、遅くないんじゃないか』って言ってくれました。そうした考えは宇佐美くんが実際にドイツで感じたことでもあると思うので、話を訊いて凄く納得しました」

―これまでを含めて海外勢と対戦する機会が多いですが、差を感じることはありますか?
「強い印象があるメキシコに勝ったり、これまでは差を感じることはありませんでしたが、昨年、代表の遠征で対戦したイングランド代表は別格でした。一人ひとりのサッカーが大人で、日本代表が攻撃している時もボールを持たされている感覚がありました。イングランドが攻撃する際も自分たちの特徴を活かしてドンドン日本代表DFの背後を突いてきて、『このチームには勝てない』と初めて痛感しました。試合を終えてからは『このままじゃ、やばい』とも感じました。メンバーの中にはアーセナルやチェルシーに所属し、チャンピオンズリーグとか俺らよりも凄い環境でやってる選手もいるので、今の成長スピードでは追いつけない。日ごろから自分たちの意識を変える必要性を感じました」

―世界基準を肌で知った上で、今回のリオデジャネイロオリンピックを見て、感じることはありましたか?
「テレビで見ていたのですが、ナイジェリアは身体能力が高くて強かったけど、チームとして崩せたゴールもあり、勝てない相手ではなかったと思います。ユースの先輩である(井手口)陽介クンが試合に出ていて『凄い』と思う気持ちと『負けたくない』という気持ちも正直、ありました。できれば同じピッチに立ちたかったですね」

―次の東京で中心選手として期待されていますが。
「正直、まだ東京オリンピックと言われても実感が湧きません。今はU-20ワールドカップで日本が良い結果を残すことだけを考えています。ただ、4年後その場に立てば興奮するでしょうし、めちゃくちゃ応援してもらえる絶好の機会。自分が飛躍できる場にしたいのでモチベーションは上がります。優勝すれば、自分たちの株が上がるので、舞台が整ったなとは思っています。リオに出ていれば、サッカー王国・ブラジルでプレーし、『自分のために』という想いが強かったのかもしれませんが、自国開催なので、選ばれるみんなが『日本のために』という想いが強くなるはず。勝てば、いつも以上にみんなが喜んでくれると思うので楽しみです。まずはU-20ワールドカップで優勝して、次に東京オリンピックで優勝して、あとはワールドカップだけという状況を作りたいですね」

―これから4年間でどういう選手になりたいというイメージはありますか?
「理想は一人でチームを勝たせる選手。『俺にボールをくれたら点を獲れるよ』って言えるくらいの選手、メッシみたいな選手になりたいです。メッシとネイマールが大好きなんですよ。圧倒的ですよ、あの二人。ボールを獲られないですもん(笑)。同じ左利きなのでメッシをより意識しますが、ネイマールが左利きだったら、ネイマールの方が好きかもしれませんね。オフの動きで相手をかわせるネイマールのプレーは今の自分に足りていない部分で、ガンバのスタッフからもバルセロナの3トップのビデオを見せてもらって参考にしています」

―今年からはそのネイマールと同じNIKEのスパイクを着用しています。履き心地はどうですか?
「これまでは自分に合ったスパイクが見つからず、ずっと理想のスパイクを探していました。NIKEはサッカーを始めてからずっと履く機会がなかったのですが、もともとデザインが好きで服とかは買っていて、今年2月のキャンプから『マーキュリアル』を履き始めました。履いて良かったと思うのはシュートの瞬間。マーキュリアルはフィット感が良いので、左足でシュートを打つ時に軸足しっかり踏み込めて、ボールに当たった時のインパクトも良くなりました。あとはNIKEを履いてから靴擦れをしたことがありません。これまではどのスパイクを履いても靴擦れしていたので、試合で履く前にかかとに油を塗って、滑るようにしたり、パッドを入れていたのですが、今はそうした手間がなくなりました」

―マーキュリアルは従来のタイプよりも40%軽量化に成功しているのですが、プレーした際に軽さを感じることはありますか?
「軽さも最高ですね。履き始めてから、走るスピードが速くなりました。これまでもなるべく一番軽いタイプのスパイクを選んでいましたが、マーキュアルはこれまで履いていたスパイクの倍以上は軽く感じます。マーキュアルを履いている人は皆、同じことを感じるんじゃないですかね。(倉田)秋クンもマーキュアルを履いて、『やっぱり軽いスパイクじゃないと無理だわ』って口にしていました。プレー中はそこまで感じることはないのですが、スパイクを履いてピッチに向かう時に、『うわ、軽い!最高や!』ってなるんですよ(笑)。スパイクを重たく感じながら試合をしたくないですし、ストレスなく試合に挑めるのが一番。軽いし、フィット感も良いマーキュリアルは最高ですね」

(取材・文 森田将義)



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