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3バックで先発の川崎F田坂、驚きのコンバートにも「怖さはなかった」

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[9.10 J1第2ステージ第11節 川崎F3-1福岡 等々力]

 緊急コンバートに応えた。川崎フロンターレのMF田坂祐介は3バックの右センターバックで先発。守備陣に故障者が続出する中、20試合ぶりのスタメンは意外なポジションでやってきた。

「(監督から)実際に言われたのは先週の試合が終わったあと。自分でもビックリしたところはあった」と本人も驚くポジション変更だったが、「練習からチャレンジを始めて、やりながらすぐにイメージが沸いた」と、柔軟に対応した。

 経験のないポジションながら、攻撃では効果的な球出しを見せ、守備では体の強さを生かしてボールを奪取するシーンもあった。田坂自身は「今日はあまりディフェンスの対応が多くなかった。劣勢になったとき、自分の課題は浮き彫りになると思う」と控え目だが、風間八宏監督は「素晴らしい働きをしてくれた。田坂を後ろに置くのは守備だけでなく、ビルドアップと攻撃を託したから。練習からしっかり取り組んで、楽しむ場所にしてくれた」と手放しで称えた。

 後半途中からは左サイドハーフにポジションを上げ、本来の攻撃的なポジションでもプレー。後半37分に交代するまで“2役”でチームに貢献した。これにはMF中村憲剛も「(田坂は)人に強いし、テクニックもあるから、相手がプレスに来ても打開できる。人生でセンターバックはやったことがなかったと思うけど、(コンバートした)監督もさすがだし、それに応えるタサ(田坂)もさすが。うちのチームはポジションの概念がなくなっている。それを証明してくれた」と賛辞を送った。

「後ろに逃げるところがあった。取ったあと、すぐ前につけるパスをもっと意識したい」。そう貪欲に話す田坂は「(練習で)対応する相手が(小林)悠だったし、試合に出るうえで怖さはなかった。味方とどう合わせるかのほうが重要だった。試合をやりながらもっと良くなる自信はある」と頼もしかった。

(取材・文 西山紘平)

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