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[MOM1905]広島県FW渡部快斗(広島ユース、1年)_「自分の決勝点で優勝したい」出身地大阪から優勝決定弾!

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後半29分、広島県FW渡部が決勝ゴール

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[10.6 国体少年男子決勝 大阪府 1-2 広島県 遠野運動公園陸上競技場]

 執念の同点弾を喜ぶ大阪府の歓喜を一瞬で消し去った。失点からわずか1分後の後半29分、広島県はルーズボールを拾ったFW渡部快斗(広島ユース、1年)が切り返しでDFをわずかにずらして右足を振り抜く。岩成智和監督(広島ユース)が「一個しか空いていないところへ入っちゃたんですよ。もう走れないのかなと思っていたところであのチャンスで切り返して打てる。凄いですね、アイツ」と唸った最終盤の一撃。ボール“一個分”だけ空いていたコースへ放った渡部のシュートはゴール右隅を破り、広島の優勝を決めるゴールとなった。

「前半とか自分何もできなくて、点決められた瞬間に自分がここで決めないとヤバイなと思って、結果決められたので本当に良かったです」。今大会通じて渡部の献身的な守備が光っていた。この日も前半6分に相手GKのキックをチャージするシーンがあったが、他の試合でもそのスピードを活かしたプレッシングで相手CBからボールをもぎ取り、チームの決定機に繋げるようなシーンを連発。守備の貢献度は高かったが、それでも本人は「それもできて点も決められるFWを目指している」。今大会は準決勝までの4試合で2得点と悔しい思いもしていた。だからこそ、守備もやり切っての決勝ゴールも決めたことを本人は喜んだ。

 渡部はC大阪 西U-15出身。U-18チームへの昇格を果たすことはできなかったが、昨年の日本クラブユース選手権(U-15)大会の広島ジュニアユース戦で前半だけで4得点を決めているFWはその広島から誘われて西国・広島での挑戦を決意した。この日の対戦相手は出身地の大阪。当然、期するものがあった。「出身地大阪なので、相手決まってモチベーション上がって。自分の決勝点で優勝したいという気持ちがあって、それが実現できて、相当嬉しいですね」。前日の準決勝後には対戦相手の大阪からも「渡部快斗がいるので、絶対に負けたくないです」という声が上がっていたが、その前で決勝点。広島への感謝も表現するゴールで優勝を果たした。

 国体日本一という目標を果たしたが、この優勝はあくまで今後の活躍へのステップだ。「プレミアとかには(広島ユースの)Aチームで絡んでいきたいし、代表にも絡んでいきたい。チームには満田(誠)くんとか、(山根)永遠くんとか足元もあってスピード感もある選手がいる。背中を見て成長したい」。国体の優勝決定弾を決めた大阪出身のストライカーが、広島での3年間で進化を遂げる。

(取材・文 吉田太郎)
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