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[MOM1953]東海大仰星MF見野龍太郎(3年)_“点取り屋ではない男”が待ち焦がれた舞台で2得点

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[11.19 全国高校選手権大阪府予選決勝 阪南大高 2-3 東海大仰星高 ヤンマー]

「点を獲りたいとは思っていますけど、本来の自分は潰れる役。前線で自分が潰れたこぼれ球を後ろの味方が拾って、点に繋げてくれたら良い」。そう自己分析するように、東海大仰星高のMF見野龍太郎(3年)は普段1トップに入るものの、生粋の点取り屋ではない。ただ、全国行きがかかった大一番を前に得点への意欲も燃えたぎる。チームメートの怪我により、もう一つの持ち場である左サイドMFに入ったが、「こういう大舞台で点を獲れる機会はないので、今日は絶対に獲ってやろうと思っていた」と一発を狙っていた。

 対峙するのは前年王者の阪南大高。総体予選のベスト16では1-0で勝利した相手とあり、「インターハイでは僕たちが勝っているので、相手は絶対に僕たちに勝ってやろうと挑んでくる。それを跳ね返すつもりでやってきた」と試合前は相手の勢いに飲まれることも想定していた。だが、予想とは裏腹に開始から押し込んだのは仰星。積極的な守備から効果的にサイドを攻略し、阪南大高のゴールに襲い掛かった。

 見野に初めて見せ場が訪れたのは前半13分。右サイドの深い位置からMF松井修二が上げたクロスを頭で合わせて、ゴールネットを揺らした。「松井には『クロスを上げる時は俺を見てくれ』と頼んでいたら、良い所にボールが来た」と振り返ったように、理想通りの形で均衡を崩すと、直後の15分には左からゴール前に入ったDF面矢行斗のロングスローにジャンプで反応。こぼれ球をFW藤山海星が押し込み、阪南大高を突き放す。

 流れは止まらず17分にも三度、決定機が到来。右サイドを駆け上がったSB大東史明がクロスを入れると、「1点目が頭に残っていたので、同じ形で点を獲れたらと思っていた。大東のクロスも質が良いので、信じて走った」と後方から飛び込み、ヘディングシュートを叩き込んだ。以降は2失点したものの、このゴールが決勝点となり、東海大仰星が3-2で勝利。中務雅之監督は「準決勝も決定的なシーンを外していたので、見野のゴールは珍しい。前の選手が点を獲ってくれると後ろは助かる」という表現で、貢献を称えた。

 見野にとって、予選決勝は待ち焦がれた舞台だった。彼が中学2年生の時に実施された第91回大会で東海大仰星は近大附高との熱戦を制し、選手権に出場。翌年の第92回大会では履正社高に敗れたものの、2年連続で決勝進出を果たした東海大仰星の姿をテレビで目にし、門を叩いた。だが、自身が入学してからは2年連続で決勝の舞台まで進めず、「今年こそは絶対に優勝したいという気持ちで挑んだ」。

 この2年、悔しい結果に終わっていたものの、決して遠回りではなかった。東海大仰星が府内で結果を残してきたことが入学の一番の決め手だったが、もう一つの理由となったのは精神面での成長。「練習の雰囲気が良くて、仰星なら人間的にも成長できるかなと思った」ことも入学のきっかけだった。この3年間で、アタッキングサードで見せる積極的なプレーに磨きがかかったのはもちろん、「自分のことだけでなく、周りに気を配れるようになったし、人間として成長できたと思う」結果が、冒頭の発言のような周りの選手に点を獲らせる長所にも所以する。2得点を決めたことはもちろん自己分析通り、自らが犠牲となることで生まれた藤山のゴールも高校生活での成長が見える部分だろう。

 チームを全国に導く活躍となったが、これで満足するつもりはない。「昨年から日本一になろうと皆で言っていた。やっとこれでスタートラインに立てたと思う」と口にするように見据えるのは、はるか先。全国でも味方に点を獲らせるプレーと隙あらば自らも得点を奪う貪欲な姿勢で勝利を呼び込むつもりだ。

(取材・文 森田将義)
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