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「半年前とは違う」順天堂大は“もう一人の1年生FW”浮田が決勝点!

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順天堂大の1年生FW浮田健誠は決勝点をマーク

[12.10 全日本大学選手権(インカレ)2回戦 順天堂大 2-1 慶應義塾大 味フィ西]

 “もう一人の1年生FW”がインカレ初戦で主役になった。夏の総理大臣杯全日本大学サッカートーナメント準優勝の順天堂大は1-1の後半40分にFW浮田健誠(1年=柏U-18)が決勝点。マークを外してゴールエリアへ走り込んだ浮田が右SB柳澤亘(2年=八千代松陰高)のラストパスを1タッチでゴール左隅へ流し込んだ。

 そして、ゴール裏で興奮状態となっていたチームメートの下へ。試合後、「自分でもビックリしている」と驚きの決勝点だったことを明かした1年生FWは「(柳澤)亘君はスピードあるんで、縦に抜いてクロスが入ってくると信じていた。動き直して、(シュートは)当たり損ねだったけれど入って良かった」と笑顔で振り返っていた。

 この日は前線でのポストプレー、空中戦の競り合いでも健闘していた。マッチアップしたのは名古屋内定の慶大CB宮地元貴(4年=桐蔭学園高)。競り負けることも多かったが、渡り合うことができたと感じている。「最後の方はほぼ抑えられたいたんですけど、前半は半年前とは違うところを見せられた」。

 185cmの長身FWだが、ルーキーシーズンの前半戦は空中戦での強さを印象づけることができなかったのだという。だが、意識して強化してきた部分を強敵相手に発揮。「半年前はみんな自分が空中戦で勝てると思っていなかったと思う。でも、空中戦でも勝てるというイメージがつけば味方も自分に蹴ってくれるし、リーグ戦前期、後期とは違うところかなと思います」と手応えを口にした。

 順大の1年生FWには夏の総理大臣杯で4試合連続ゴールを決めてチームを決勝へ導いた注目FW旗手怜央(1年=静岡学園高)がいる。浮田は「(リーグ戦の)前期、後期、大臣杯とずっと(旗手)怜央が目の前で点取っているのを見てきて、チームも、自分的にも助けてもらっている。(きょうのように)怜央が取らなくて、自分が点取ることも珍しくて。それはいつも怜央が敵集めてくれるから自分がフリーになっているところがある。最後(決勝点のシーン)もそれでフリーになれた」と冷静に分析。同級生に感謝した浮田だが、旗手にマークが集まる中で自分が決めたことに大きな意味を感じている。

 隣でプレーする注目FWを意識しすぎることなく、今後も2人でゴールを狙って、決めて、勝利に貢献すること。「まずはチームが勝つことが一番。2人が点取れたらチームは間違いなく上にいけると思う。競い合いながらやっていきたい」。浮田は空中戦、そして得点力の部分でも半年前から変わったことを全国で示す。

(取材・文 吉田太郎)
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