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[MOM1965]青森山田MF高橋壱晟(3年)_「いつもより出ていた」闘志、攻守で優勝校牽引した千葉内定MF

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[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.11 高円宮杯プレミアリーグEAST第18節 FC東京U-18 0-1 青森山田高 FC東京小平グラウンド]

 緊張感はMAXまで高まっていた。後半40分、青森山田高はこぼれ球を拾った交代出場FW佐々木快がPAへ切れ込んでPKを獲得。すると、まるでゴールが決まったかのように佐々木はガッツポーズを連発して自身が成し遂げた大仕事を喜んでいた。一方でプレッシャーがかかったのはキッカーを務める10番MF高橋壱晟(3年)の方。「あんなに喜んでいたら蹴りづらかったんですけど、チームの代表として蹴りました」と苦笑したが、直前に歩み寄ったMF住永翔主将から「自信持って蹴れよ」と背中を押されたエースは、FC東京のトップチームへ昇格するGK波多野豪が守るゴールを右足でしっかりと破った。

 ゴールを決めると普段見せないような雄叫びと派手なガッツポーズ。その喜びは重圧から解放されたからではない。タイトルを渇望してきたエースにとっては優勝へ前進するゴールを決められたことが、とにかく、とにかく嬉しかったのだ。「自分はここ7試合点取れていなかったのもありましたし、きょうこそはと思ってやりました。(ゴールを決めた瞬間は)最高でしたね。いつもはあんなに喜ぶことはないんですけど、本当に嬉しかったです。最高でした」。チームメートから祝福を受けた後も高橋の興奮は収まらず、自陣へ戻る際も大きなガッツポーズが繰り返された。

 “普段見せないような”感情が表に出ていたのはゴールシーンだけではなかった。立ち上がりからはっきりと伝わるような闘志。シャドーの位置でプレーするMFはボールへの執着心を非常に感じさせる球際の動きでFC東京U-18の選手に襲いかかった。黒田剛監督は試合前に「過去最高のモチベーションで行け」という言葉で選手たちを送り出したと語っていたが、各選手が過去最高のモチベーションで戦う中、高橋のそれは“普段見せない”ゾーンに。仲間を鼓舞し、走り、戦い続けたMFは「きょうは絶対に球際の部分で負けないように、気持ちはいつもより出ていたと思うんですけど。絶対に勝ってチャンピオンズシップ行きたかったので出していました」と微笑んだ。 

 昨年度の全国高校選手権では2度の決勝ゴールを含む計4ゴールを挙げてチームの4強入りに貢献したが、大会優秀選手には選出されず。「点を取るだけじゃもちろんダメ」と守備もゲームメークも全て磨いてきた。周りの選手たちのほとんどがプロを目指すような環境の中で「人一倍努力はしてきたつもりです」というMFはその成果によって今年、千葉入りを勝ち取り、U-19日本代表にも選出。そして自身が優勝のゴールによってプレミアリーグEAST初優勝を決めた。

 中学時代から6年間に渡って青森山田でプレーしてきた高橋が青森山田への“置き土産”として掲げる目標は日本一。今回の優勝によってプレミアリーグ、高校選手権と2度のチャンスを得たMFは「次、まだあるので勝って喜びたいです」。攻守にハイレベルなプレーを見せる10番が17日のチャンピオンシップでも“普段見せないような”闘志を表現して、攻守で役割を果たして、青森山田を日本一へ導く。

(取材・文 吉田太郎)
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