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関東一が初陣勝利!GK負傷のアクシデント跳ねのけ開幕戦で野洲を撃破

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開幕戦で関東一と野洲が激突した

[12.30 全国高校選手権開幕戦 関東一高1-0野洲高 駒沢]

 第95回全国高校サッカー選手権が東京・駒沢陸上競技場で開幕した。開会式後に行われた開幕戦では地元・東京B代表の初出場・関東一高と2年連続10回目の出場となる野洲高(滋賀)が対戦。後半21分にMF冨山大輔主将(3年)のPKで先制した関東一が1-0で競り勝ち、全国高校選手権初陣となった開幕戦を制した。

 序盤は両チームが慎重な入りを見せたが、最初のチャンスをつかんだのは関東一。前半10分、MF菅屋拓未(3年)が右サイドに展開し、MF篠原友哉(2年)が縦に仕掛けて折り返すと、ゴール前でフリーのFW林健太(3年)が右足で狙ったが、まさかの空振りとなり、絶好の先制機を生かせなかった。

 創部35年目で悲願の初出場を果たした関東一だが、昨夏の全国高校総体ではベスト4と躍進。当時2年で全国4強を経験した10番の冨山がボランチの位置で攻撃を組み立て、DF鈴木友也(3年)とDF石島春輔(3年)の両センターバックが野洲のテクニカルな攻撃に対し、粘り強く対応した。

 それでも徐々に野洲がドリブルとパスを織り交ぜた多彩な攻撃で敵陣に押し込んでいく。前半22分、FW徳田竣希(3年)のスルーパスからFW高取誠隆(2年)が左サイドのスペースに飛び出し、マイナスのクロス。後方から走り込んだMF江口稜馬(2年)が利き足とは反対の右足で合わせたが、シュートはGKの正面を突いた。

 前回大会は“セクシー対決”とも称された聖和学園との初戦でまさかの1-7という大敗を喫した野洲。今夏の総体予選も準決勝で綾羽に敗れ、全国出場を逃したが、選手権予選決勝はその綾羽に後半アディショナルタイムの決勝点で3-2と競り勝ち、“リベンジ”の舞台に戻ってきた。

 前半29分には野洲に決定機が訪れる。高取の横パスを受けた江口がPA手前から利き足の左足を一閃。豪快なミドルシュートはGKの頭上を越えたが、惜しくもクロスバーを直撃した。関東一ベンチは前半35分に早くも動く。林に代えてFW堤優太(3年)を投入。堤は2列目の右サイドに入り、篠原が左サイドに回った。

 しかし、野洲のペースは変わらない。前半37分には江口のスルーパスに反応した高取がPA内右から右足を振り抜いたが、わずかにゴール左へ。同39分にも高取が高い位置でボールを奪い、そのまま自らフィニッシュまで持ち込んだが、右足のミドルシュートはGKに正面でキャッチされた。

 スコアレスで折り返した後半立ち上がりに関東一をアクシデントが襲う。接触プレーで左手小指を痛めたか、後半12分、突然、GK内野将大(3年)がグローブを外してプレーを中断。駆け付けたスタッフはすぐさま「バツ印」を示し、同14分にGK北村海チディ(1年)と交代した。関東一は直後の15分にもトップ下で先発していたMF小関陽星(1年)に代えてFW重田快(2年)を投入。重田は左サイドに入り、篠原がトップ下に移った。

 すると、この交代策が的中する。関東一は後半21分、PA内でドリブルを仕掛けた重田がDF鷹取新(3年)に倒され、PKを獲得。これを冨山がゴール右隅にねじ込み、劣勢だった関東一が先制に成功した。

 1点を追う展開となった野洲は後半24分に最初のカードを切り、FW中野知良(3年)に代えてFW陸田直毅(3年)を投入。同26分にはDF小磯慎二郎(3年)がオーバーラップから徳田のラストパスに走り込み、右足を振り抜いたが、DF佐藤大斗(3年)のブロックに阻まれた。同35分からは徳田に代わってMFアサノ竜也(3年)、後半アディショナルタイムにはMF中貝元気(3年)に代わってDF中川凌汰(3年)がピッチに入るが、最後の反撃及ばず、そのまま0-1で敗戦。出場3大会連続の初戦敗退となった。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 西山紘平)

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