beacon

[MOM1995]東海大仰星MF松井修二(3年)_頼れる主将が失点直後に一仕事、「練習した成果が出た」

このエントリーをはてなブックマークに追加

全得点に絡む活躍をみせた松井主将

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[12.31 全国高校選手権1回戦 藤枝明誠高1-2東海大仰星高 三ツ沢]

 頼れる主将が仕事を果たした。東海大仰星高(大阪)は藤枝明誠高(静岡)に2-1で勝利し、2回戦進出。主将のMF松井修二(3年)はFKで先制点となるオウンゴールを誘発したほか、決勝点となる得点を記録した。

 前半から東海大仰星が押し込んだ。相手のシュート数はわずか1本。自由な攻撃を許さず、ゴールを狙った。すると前半22分、左サイドで得たFKを松井が蹴り入れ、ニアサイドのDF玄尚悟(3年)がヘディングシュート。最後はゴール前にいた藤枝明誠FW遠野大弥(3年)の肩付近に当たり、ネットを揺らした。松井のセットプレーから先制に成功する。

 殊勲のMFは「セットプレーの練習は毎回1時間以上やっていたので、僕たちの得意なところ。セットプレーで点を取れたら、楽な試合にもなるので、あそこでセットプレーで先制できて良かった」と胸を張った。

 迎えた後半もそのまま主導権を握りたかったが、後半8分に痛恨の失点。FKを直接沈められてしまった。それでも主将の松井を中心に「点を決められた後も精神的に落ちずにいこう」と声を掛け合うと、直後に二度目の勝ち越し弾が生まれた。敵陣中央で奪ってのショートカウンター。MF新保隼人(3年)のスルーパスからゴール前右へ抜けた松井が右足で流し込んだ。

 失点にスタンド全体が沈んだ直後に生まれた得点。「相手が点を決めた後は緩むと思うので」と狙い通りだったと明かした松井は「あのチャンスは絶対に決めてやろうと振りぬいたので、決められて良かった」と微笑む。「ああいう場面での練習は自主練習でも取り入れていたので、練習した成果が出たと思う」。頼れる10番は誇った。

 今季について、東海大仰星の中務雅之監督は「自分たちで考える時間を多く与えた」と指導方針を説明する。主将を務めた松井は「去年のチームは監督が何もかもやっている部分がありました、でも今年は監督がやるのではなく選手がやらないと、選手同士でコミュニケーションを取らないと勝てないと気がついたので。そういう意味では僕を中心に『ここをどうしよう』という会話を選手同士でしたので、それが結果につながっているのかなと思います」と振り返る。松井主将を中心に自発性を得たチームは成熟度を増し、冬の全国へ乗り込んできたのだ。

 この日の全得点に絡む活躍をみせた松井だが、満足した様子はない。前半のチャンスを外した場面を悔やんでは、「あそこで決められないと、この先の人生でも活躍できないと思うので。ああいう場面では決めたかった」と唇を噛んだ。冬の日本一決定戦は始まったばかり。初戦突破で満足することなく、松井主将は東海大仰星をさらなる高みへ導いていくつもりだ。

(取材・文 片岡涼)
▼関連リンク
【特設】高校選手権2016
連載:高校マン・オブ・ザ・マッチ2016

TOP