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「立て直す力がなかった」東京五輪世代の守護神候補GK大迫は反省の一戦を今後の糧に

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GK大迫敬介は悔しい1失点。敗戦をまた力に変える

[2.18 NEXT GENERATION MATCH U-18Jリーグ選抜0-4日本高校選抜 日産]

 まだ、立て直す力がなかった。U-18Jリーグ選抜のGK大迫敬介(広島ユース)は前半21分に喫した1点を悔しがる。「少し押し込まれたり、簡単に失うことが多くなったタイミングで失点をしてしまった。割り切って前に蹴ったり、味方にそういうことを伝えていればあの失点はなかったかなと思います」。ボールを保持して攻めていたのはU-18Jリーグ選抜の方だったが、流れが悪い時間帯に弾丸ミドルを決められて失点。DFの影に隠れインパクトの瞬間が見えなかったとは言え、世代を代表する名手・大迫が奪われた1点はチームにとって重くのしかかった。

 チーム全体的にミスが多かった。だが、その状況を変えなければならなかったのは自分だった。大迫は「少し簡単なミスが全体的に多かった。それが連続して、(個々が)チームを立て直せなかったと思います。(自分自身も)一番後ろから支える立場として、立て直す力がなかったと思いますね」と無念の表情。流れに乗ることのできないまま前半を終えたチームは大迫交代後の後半、3点を奪われて0-4で敗れた。

 苦い経験も重ねながら、より大きな存在になっていくしかない。大迫は20年東京五輪の正守護神候補と言われる逸材GK。2歳年上の世代の代表チームに“飛び級”招集もされてきたGKは去年1年間で驚くほど成長したという声も聞く。広島ユースをプレミアリーグWEST優勝へ導き、チャンピオンシップはPK戦で敗れたものの、MIPに選出。大迫自身は「結果として凄く悔しい思いもしたんですけど、その悔しい思いも弾みにして、自分の課題と向き合えた1年だった」と振り返る。

 昨年のJユースカップ決勝などミスで勝利を逃したと分析している試合もある。自信を持っている部分でも都度甘い部分があると感じて改善し続けている日々。この日の結果についても「現実が見えたかなと思います」と反省した大迫。また課題として取り組み、将来の糧とするだけだ。

 昨年の時点から17年に広島トップチームでの試合出場への意欲を口にしていた。「(今年)トップに出られる登録もしたので、ユースでも結果を残したいと思っていますけど、Jリーグやカップ戦も含めて公式戦に、経験という意味でなくて戦力として出ていきたいと思っています」。周囲に認められ、トップチームで試合に出る資格のある選手になる。そして今年は1つ上の世代に当たるU-20日本代表の守護神としてU-20W杯に出場してチームを勝たせることも目標。昨年、直前のケガによってアジア最終予選を欠場している大迫は「本大会までの間に自分の力をアピールして行くだけでなくて、自分がゴールを守りたい」と力を込めた。

(取材・文 吉田太郎)

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