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[MOM427]関東選抜A・FWディサロ燦シルヴァーノ(2年)_2Gの活躍も、貪欲なFW「それ以外は達成感が…」

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2得点を挙げ、勝利に貢献した関東AのストライカーFWディサロ

[2.18 第31回デンソーカップチャレンジサッカー刈谷大会 関東選抜A3-1関西選抜 刈谷]

 2得点の活躍をみせたものの関東選抜AのFWディサロ燦シルヴァーノ(法政大2年=三菱養和SCユース)は「自分的にはゴールを決めたけれど、それ以外の部分は達成感がない感じだった」と複雑な表情を浮かべる。PKを含み二度ネットを揺らしたものの、「もう少しゴールから逆算した動きをできればよかった」と受身のプレーが多かったことを反省していた。より自らボールを引き出すなど能動的にプレーしたかったという。

 まずは前半14分、CKからのゴール前混戦。PA内でディサロがDF吉村弦(同志社大2年=G大阪ユース)に倒されて、PKを獲得。「マークを外す瞬間に相手が後手を踏んでファウルになってPKになりました」。本来チーム内では前日2発を決めたMF渡邉新太(流通経済大3年=新潟ユース)がPKキッカーを務める雰囲気があったものの、この場面ではディサロがそのままペナルティスポットへ。すると渡邉が「お前が蹴るでしょ?」と言い、すんなりと譲られた。

 2年生FWが「新太くんが蹴る感じなのですが、PK練習では自分も一回も外していないですし、(自分で)蹴るつもりでした」と言えば、渡邉は「本当なら絶対に自分が蹴るという感じでしたけど、あの時はすんなり譲りすぎましたね」と苦笑気味に振り返る。これをキッカーに志願したディサロが難なく決め、関東Aは先制した。

 その後にチームは1-1に追いつかれたが、後半17分にまたもディサロがゴール。渡邉の折り返しからファーサイドへ走り込み、右足シュートを決めた。「GKが弾いても狙えるし、抜けても触れるくらいの位置にいたら本当にボールがきたので決めるだけでした」。2-1と二度目の勝ち越しに成功したチームはそこから2点を追加。3-1の勝利で2年連続の決勝行きを勝ち取った。

 前日の中国・四国選抜戦(5-1)では、後半43分からわずかな時間の出場。渡邉や土居が2得点ずつ決めるのをベンチから見ていた。そこにはチームの勝利を喜びつつも、複雑な思いもあったようで「(選抜は)チームの上手い人が来ているので、試合に出れば活躍するので、焦りはないんですけど。あんまりボカボカやられると自分も立場がなくなっちゃうので……ちょっとほどほどにしてくれないかなと思っていました」と苦笑いで明かす。それでもこの日は負けじと2得点。「きょうは自分が2点を入れて勝ったので、他の人たちからしたら逆にそう思っているかもしれないですね」とささやかに誇った。

 とはいえ、勝利の立役者となる活躍をみせたが満足はせず。「もう少し背後へ出たり、ためを作っておきたかった。ポストプレーはありましたけど、自分はポストプレーというタイプではないので、裏に抜けて起点になって、押し上げることでチームがコンパクトになれるように。自分がゴールから逆算した動きをもう少しできれば」と反省し、「明日は全日本といういい相手なので、自分が納得できるくらいの他の動きもしたい」と先へ目を向けた。

 19日の決勝では10年ぶりの優勝を目指して全日本選抜と戦う。「チームが勝てば自ずと評価されると思う。自分が自分がとなるのではなく、チームが勝って、そこに自分が点を取るおまけがついてくれば」と殊勝に話したFWは「ゴールを目指すのはもちろんですが勝ちたい。三浦さん(三浦佑介監督)も言っていたように、1位と2位は全然違う。全日本に勝って、優勝しないと達成感もないので。最高の形で当たれるのでやるだけですね」と力を込めた。


(取材・文 片岡涼)
●第31回デンソーカップチャレンジ刈谷大会特集

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