beacon

[MOM2058]國學院久我山DF竹浪良威(1年)_ブレイク必至の左SB!代表入りへアピール続ける

このエントリーをはてなブックマークに追加

國學院久我山高の注目左SB竹浪良威は年代別日本代表、プロの世界へと駆け上がるか

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.26 T1リーグ第2節 國學院久我山高 2-1 東京武蔵野シティFC U-18 國學院大学たまプラーザキャンパスG]

「僕らはJリーガーになると思っているんですよ」という清水恭孝監督の言葉も全く過大評価には聞こえない。國學院久我山高の左SB竹浪良威(1年)はこの日、「(幾度となく攻撃参加していたものの)チャンスに繋げられていないので、チャンスに絡んでもっと点とかに繋げていければいいなと思っています」と首を振ったが、中へのドリブル、パスで2点目のシーンに絡むなど攻守において存在感あるプレー。U-16年代の選手で争われる昨年の国体少年男子の部では東京都選抜の中心選手としてベスト4進出に貢献しているが、改めて今年ブレイク必至の存在であることを印象づけた。

 身長160cm台ながらもCBを務めてきた守備力の高さは折り紙付き。本人も「自分は守備で評価されていると思っているので、そういうところで周りとの違いを出していければいい」と語るSBは距離感と読みに優れ、競り合いでの強さも発揮してボールを奪い取る。

 この日は90分間通して安定した守りを見せ、攻撃面では高い位置に何度も顔を出し、キープ力と相手の逆を取る動き、そしてそのスピードを活かして左サイドから東京武蔵野シティFC U-18を押し込んだ。

 昨年の選手権予選直前までCBで先発を務めていたが、ポジションを失う形に。本人は「ミスを怖れていた。チャレンジだったり、サッカーを楽しむことができていなかった」と振り返る。前年度全国準優勝校の最終ラインの一角を務めていた1年生。FC東京U-15むさし時代に日本クラブユース選手権(U-15)大会で準優勝し、大会MIPにも選出されているDFだが、それでも重圧は大きかった。

 チームは選手権予選初戦敗退。その中で竹浪は「変わる」必要性を感じたのだという。「このままじゃプロ無理だと。試合には出ていたんですけどチームに何も貢献できなくて。選手権が終わったくらいから自分の中でダメだ、変えなきゃダメだと思って」意識を変えた。同時に竹浪は新たなポジションを任される。それがSBだった。

 清水監督は「CBでは上に行けないと思ったので彼のためにSBにしたんですよ」とその起用意図を説明する。國學院久我山のSBはゲームコントロールも担うポジション。指揮官は前への姿勢が強く、「ちょっと行き過ぎちゃう」部分もある竹浪に規制をかけることなく、運動量や縦への推進力という良さを出させている。

 竹浪はこの日、時折トリッキーな動きを見せるなど楽しみながら、存在感あるプレーを見せていた。憧れの選手はブラジル代表の攻撃的SBマルセロで「サッカーを楽しむという面でも大事だと思っています」という“遊び心”も持ち合わせる左SB。ボールコントロールの部分をより向上させ、「チームのリズム変えられたり、チームに影響を与えられる選手になって、こういう試合でももっと自分が流れをもって来れるような選手になっていきたいです」という理想像に近づく。

 現在の目標は年代別の日本代表入り。「チームとしては東京のタイトルは全部取るということを掲げていて、個人としては選手権やインターハイで活躍することはもちろんなんですけれど、年代別代表とかにも選ばれるように。代表目指していますね」。国体のアピールはまだ不十分だったか、代表入りを果たすことはできていないが今年、U-17W杯へ出場するU-17日本代表に食い込むことができるか。注目DFは可能性ある限り、その目標に全力でチャレンジする。

(取材・文 吉田太郎)

TOP