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「デカイだけ」からの脱皮!育ったG大阪で特別指定、京産大193cmFW和田健太郎、覚醒の兆し

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193cmのストライカー、開花の時を迎えるか

[3.22 第67回京都学生選手権大会準決勝 同志社大0-1京産大 立命館大原谷G]

 京都の大学No.1を決める第67回京都学生サッカー選手権大会の準決勝が22日に行われ、同志社大京都産業大が対戦。後半17分に奪ったFW和田健太郎(新3年=G大阪ユース)のゴールで京都産業大が勝利した。この結果により、26日に行われる決勝戦へと駒を進めると共に天皇杯京都府予選の出場権を獲得した。

 ピッチ内で一際目立つ193cmの身長は他の選手にない大きな武器。京産大の注目FW和田の秘めたポテンシャルが開花しつつある。

 古井裕之監督が「スペースを見た方が良いのか、人を見た方が良いのか対応が遅れてしまった」と振り返ったように、この日の京産大は3-4-3のシステムで試合に入った同志社の攻撃陣に守備がかき乱され、序盤から守備に追いやられる時間が続いた。

 マークのズレをMF安井修平(新4年=東海大仰星高)ら2列目の選手に突かれると、前半30分には右サイドを飛び出した安井がゴール前にクロスを展開。反対サイドのFW川本紘平(新3年=藤枝東高)がヘディングでゴールを狙ったが、GK射庭康太朗(新4年=C大阪U-18)がかろうじてブロック。こぼれ球もDF守安陸(新4年=神戸U-18)が大きく蹴りだし、難を逃れた。

 一方で、京産大が作った前半の決定機は、37分に右クロスをMF橋本和征(新2年=東福岡高)がヘディングで合わせた場面くらい。ゴール左隅を突く好シュートだったが、GK白岡ティモシィ(新3年=広島ユース)の驚異的な反応に阻まれた。和田の見せ場も時折、後方から入るロングボールを前線でおさめるのみで、シュートは0本。28分にはラフプレーでイエローカードも貰ってしまった。

 しかし、「相手DFに元気がある時は和田に対して積極的に挑んでくるけど、あのデカさを相手にするのは疲れる。後半になると相手の動きが落ちて、自由にボールを受けられるようになったし、サイドを活かせるようになった」と古井監督が振り返ったように同志社に対するジャブとなっていたのも事実。

 後半は疲労の見える相手に対し、躍動感溢れるプレーを披露すると、後半17分にはMF園部凌平(新3年=G大阪ユース)の右クロスにPA内で反応。「狙い通りのプレー。相手が脇から寄せてきていたのが見えていたので、胸で落とせば抜け出せると思っていた」と胸トラップで自身の前方にボールを落とし、身体を寄せた2人のDFをかわすと倒れ込みながらも、ゴール左隅にボールを流し込んだ。この一撃が決勝点となり、京産大が勝利をおさめた。

 中学、高校は名門であるガンバ大阪のアカデミーでプレーした和田だが、決してきらびやかな世界を歩んできた選手ではない。G大阪時代はずっと一学年下のFW高木彰人らとの競争に勝てず、Aチームでの出場機会はわずか。今でこそ、“動ける大型FW”という特徴が見えるものの、当時は動きが堅く、「『デカいだけ』と言われることが多くて、ずっと悔しい想いをしてきた」。

 大学に入ってからは、課題だったフィジカル強化やステップワークの改善に着手。昨年までヘッドコーチを務めた小笠原唯志氏(現・長野強化ダイレクター)との出会いも大きく、過去にFW佐藤晃大(徳島)ら大型FWを育ててきた師から手取り足取り指導を受けたことで、動きの質が向上していった。

 また、昨年からコンスタントに試合経験を積めていることも成長を後押しし、「自分がやらなアカンという気持ちが強くなった」。今年に入ってからの成長を目覚ましく、DF橋本侑紀(新3年=C大阪U-18)は「覚醒しましたね。最初はチャンスが来ても活かせず『何してるん?』って感じやったけど、めっちゃボールがおさまるようになったし、シュートも上手くなっている」と同級生を評する。

 2月には関西選抜の一員として、デンソーカップチャレンジ大会にも出場。3月には成長が認められ、古巣・G大阪の特別指定選手にも承認された。U-23の一員ではあるが、先日のJ3戦・相模原戦ではベンチ入りも経験。ピッチに立つことはできなかったが、「また、ガンバのユニフォームを着られたのは本当に嬉しかった。あのスタジアムの雰囲気を味わえたのは大きくて、今後に繋がると思う」。

 「プロとやると、全部のスピードが違って、合わせるのが難しかった。通用するのも相手を背負った時のプレーくらい」と口にするように、今はまだ上のレベルでプレーするには課題が多いが、他の選手にはない魅力を持った選手であることは確か。今後も成長速度を緩めることなく、プレーの質を高め、より高みを目指すつもりだ。

(取材・文 森田将義)



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