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[UAチャレンジカップ]長崎日大が積極守備の湘南撃破!より内容求めて「失敗してもトライ」を

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後半6分、長崎日大高は右アーリークロスをFW山下真汰郎が合わせて2-0

[3.27 UAチャレンジカップ 湘南高 0-2 長崎日大高 いわきFCフィールド]

 27日、高校、クラブユースの7チームが総当りのリーグ戦で優勝を争う「アンダーアーマーチャレンジカップ 2017 SPRING」で湘南高(神奈川)と長崎日大高(長崎)が対戦。長崎日大が2-0で勝った。

 九州の長崎から、低気圧の影響で波が高く非常に揺れたというフェリー、そしてバスで東北・福島入り。大会初日を1勝1分で終えた長崎日大の亀田陽司監督は「やってはいけないミスが多かった」と指摘。湘南戦は細かいパスワークで相手を寄せてから大きな展開を交えた崩しでゴールを奪いに行くチームの狙いが表現されていたシーンもあったものの、その回数はわずかだった。

 何より亀田監督が残念がったのが遠方まで強化に来ているのにもかかわらず、チャレンジする姿勢があまり見えなかったこと。今年は16年度県内3冠の長崎総合科学大附高などを破って、11年度の選手権以来となる全国を目指す一年だ。素材感ある選手たちも多いだけに「もうちょっとチャレンジしてほしい。失敗してもトライしてほしい。やろうとしてほしい」と要求していた。

 その長崎日大は前半14分、FW吉川稜也(新3年)の弾道の低いシュートのこぼれ球をMF吉武郁哉(新3年)が押し込んで先制する。その後も中盤で優れたボールコントロールを見せる吉武やMF池田龍太郎(新2年)を中心にボールを細かく動かして攻める長崎日大に対して、神奈川県を代表する進学校の湘南は竹谷睦監督が「引いて守ってという戦いをやらないと行けない時もあるんですけれども、(湘南は)やっぱり積極的に。判断して、使い分けながらやっていければ」と言うように、前からの積極的な守備で相手にプレッシャーをかける。

 2年に一度、スペイン遠征を実施している湘南は今回、初となる春の「アンダーアーマーチャレンジカップ」出場。昨年の関東大会予選、一昨年の選手権予選で神奈川8強へ食い込むなど神奈川県内で存在感を発揮している湘南はチャレンジする姿勢を示し、幾度かいい形でのボール奪取に成功していた。

 そして「ブスケツみたいにボランチでコントロールすることが理想なんですけど、ドリブルも得意。もっとゴール前で決定的な仕事をしたい」という10番MF登藤健(新3年)が軸となって攻撃。前線からの連動した守りに加えて最終ラインのCB榮田大(新2年)やCB内藤憲(新3年)が粘り強く守っていた湘南はショートカウンターからゴールを目指したが、まだ経験値の浅いチームは奪った後に慌てて攻めたところで簡単にボールを失ってしまうなどなかなか攻め切ることができない。

 一方、長崎日大は後半6分、FW高比良慶太(新3年)が右オープンスペースを突くと、SB川口慎之助(新3年)のアーリークロスをFW山下真汰郎(新2年)が合わせて2-0。後半、推進力のあるMF田口凌(新3年)や高比良を投入した長崎日大は一気に追加点を狙う。だが、サイドから攻める湘南に決定機も作られてしまう。湘南は22分に左SB杉原大樹(新3年)の左クロスからFW吉田和史(新2年)が決定的なヘディングシュートを放つ。だがこの一撃はGK東拓実(新3年)のファインセーブに阻まれ、アディショナルタイムに登藤が放った右足ミドルはクロスバーを叩いて無得点で敗戦。登藤は「(前からの守備で)ハマっていたところもあったんですけど、抜かれていたところもあったので、もっとチームで連係して意識統一して守れればいい。自分たちは先輩たちほど個人が強くないので、チームとして戦わないといけない」と語っていた。

 勝った長崎日大は今後、特長であるテクニカルな部分をより表現しながら、より自分たちの良さを出すことにチャレンジしていく。吉武は「みんな足元しっかりしているし、(DFを)外していくプレーで点取れたりしているので精度上げていければ点取れると思う。(今年は長崎の)決勝まで行って全国に行きたい」と誓い、この「アンダーアーマーチャレンジカップ」へ向けては「去年はあまり結果を残せなかったんですけど今年は結果を出していきたい」と意気込んだ。長崎を突破するための武器を磨き、多くの白星と自信を掴む残す大会にする。

(取材・文 吉田太郎)
アンダーアーマーチャレンジカップ2017 SPRING

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