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[MOM2094]柏U-18FW森海渡(2年)_新エースだ!2年生ストライカーが2ゴールでアピール

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柏レイソルU-18FW森海渡は2得点の活躍

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.9 高円宮杯プレミアリーグEAST第1節 柏U-18 2-1 京都U-18 味スタ西]

 これぞ、ストライカーという見事な2得点だった。柏レイソルU-18のFW森海渡は、高円宮杯プレミアリーグEASTの開幕戦でチームを勝利に導く2ゴールを挙げた。

 1点目は、スライディングボレー。押し込みながら先制点が取れない展開の中、アーリークロスに鋭く反応した。動きながら前に伸ばした足に当てるため、ミートが難しいが「タイミングよく、良いボールが来た。振り切らずに抑えて打てて良かった。クロスからのああいうプレーは、得意」と的確にゴールを陥れた。

 相手の背後を瞬間的に奪うプレーは、得意とするところだ。その後、相手に同点弾を許して流れを持って行かれそうになったが、失点のわずか3分後に再び点を決め、勝利をぐっと引き寄せた。右からのCK。ニアで仲間が相手と競り合いながらつぶれ、中央からファーサイドへ流れた森が折り返すようなヘディングシュートを鮮やかにゴールへ流し込んだ。森は「形自体は、練習通り。でも、コントロールが良かったのは、たまたまです」と笑顔で振り返った。

 柏U-18は、シーズン開幕前にエース格のFW中村駿太が青森山田高に移るというショッキングな出来事があった。中村が抜けた前線で、誰がどのような働きをするのかは、一つの見どころと言えた。森は、中村の1学年下にあたる2年生。2月にスペイン遠征を行ったU-17日本代表に招集された期待株だ。頼りになる先輩が抜けたことに寂しさは感じているが、思いを闘志に変えて静かに燃えている。「偉大な人が抜けたけど、穴を埋められるようにとか考えるのではなく、自分は自分らしく、超えられるようにやっていきたい」と言葉を選びながら話した姿には、新たなエースとしての活躍を誓う意思が感じられた。

 永井俊太監督が「元々、FWのセンスは抜群」と期待をかける森の成長は、著しい。中学生時代から伸びている身長は180cmを超え、プレースタイルに幅が出てきた。「以前は、相手を背負うのが好きではなかったので、ターンをして前を向くことを考えていたけど、体が大きくなり始めてからは、背負うプレーもするようになってきている。(相手を背負って)前でボールを収められる場面も少し出てきたので、もっと磨きたい。クラブだけでなく代表でも求められるところだと思う」と、背後への飛び出しばかりでなく、相手を背負った状態でボールをキープするポストプレーの向上にも力を入れている。試合を振り返り「開幕戦ということで京都も勢いがあって前から(守備に)来ていたので、苦しんだ部分があった。前でもっと収められれば、自分たちの時間を作れた」と課題に挙げた点だ。

 その名を体現するように「将来は、レイソルでトップチームに上がって、海外で活躍したい」と話す森海渡が憧れているのは、ドイツ1部のバイエルン・ミュンヘンで活躍するポーランド代表FWレワンドフスキだ。点を取る形を多く持ち、なおかつ周りも生かせる世界的なストライカーを目標に、森はプレミアリーグを通じて成長を目指す。

「毎試合、ゴールを取りたい。自分が取れば勝てるチームだと思うので、これからも取り続けたい」

 2年生の新エース候補のさらなる進化が楽しみだ。開幕戦2ゴールは、今季の活躍の序章に過ぎないのかもしれない。

(取材・文 平野貴也)
●2017 プレミアリーグEAST

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