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[MOM436]東洋大FW小澤裕太(1年)_Bチームスタートのルーキー、出場2戦目で大学初ゴール

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大学初ゴールを記録した東洋大FW小澤

[5.3 関東大学1部L第3節 日本体育大1-3東洋大 江戸陸]

 ただただ「嬉しかった」。それ以上の言葉が出てこないほど、安堵と喜びでいっぱいだった。東洋大のルーキーFW小澤裕太(1年=千葉U-18)は第3節の日本体育大戦(3-1)でダメ押しの3点目を記録。大学リーグ初ゴールはチームにとっての今季1部初勝利を決定的にした価値あるもの。試合後、小澤は「ただただ素直に嬉しいです。勝てて、本当に嬉しい」と繰り返し、声を弾ませた。

 ジェフユナイテッド千葉U-18から東洋大へ進学。当初はBチームでのスタートだったが「やることは自分では分かっていて、嬉しさもありましたけど、それでもびっくりでした」と言うように、開幕翌週の天皇杯による中断期間にAチームへ“緊急昇格”。第2節の筑波大戦で途中出場すると、大学リーグデビューを果たした。トップチームのメンバーとともにプレーしたのは筑波大戦がほぼぶっつけ本番という状況下、自身の持ち味を出そうと必死だったという。

 筑波大戦から中2日で迎えた日本体育大戦。アクシデントで小澤に出番はやってくる。0-1の前半30分過ぎに10番を背負うFW小堀将人(4年=八千代高)が左足首を負傷。プレー続行不可となり、呼ばれたのはルーキーだった。

「さすがにあの時間帯での交代はびっくりしましたし、アップも少ない時間で上げました。正直、驚きが大きすぎて試合への入りは悪かったです」。ピッチへ入ったあとはなかなかボールに絡めずにいたが、チームは前半終了間際に同点弾。1-1で前半を終えた。

 後半に入り、徐々に持ち味を出し始めると、積極的にボールを追うなど守備面でもチームへ貢献。また芝の影響でロングボールが増える中、フィジカルを生かしてセカンドボールを拾った。東洋大は後半22分にCKの流れから2-1と逆転に成功。昨季インカレ準優勝の日体大を相手にリードした。

 そして後半31分に小澤が仕事を果たす。MF高橋宏季(3年=FC東京U-18)の左CKをFW坂元達裕(3年=前橋育英高)が頭で落とし、相手GKがパンチング。詰めていた小澤が右足で押し込んだ。3-1と2点差に広げるとそのまま逃げ切った東洋大は1部昇格後、3試合目にして初勝利を手に入れた。

「うまく達くん(坂元)が折り返してくれて、どこにこぼれるかを狙っていたので。それでうまくゴールに入れられたので良かったです」と振り返るルーキーは「フィジカルを生かして、前線で起点になったり、一番(やるべきこと)は得点を奪うこと。そのための動き出しを意識しています」と話した。1年生ながらピッチへ立つことへの責任感もあったようで、勝利へ貢献できての安堵の表情でいっぱいだった。

 東洋大の古川穀監督は「前節でも30分ほど出ていたので、本人のなかでは一度、緊張感などは慣れた状況での今日のゲーム。相手にボールがある時間が長い状況でしたが、いいディフェンスやプレッシングが役割的な要素となるのに加え、ピッチの関係も多くなって、競り合う形が多くなるところで、彼の馬力などは活きたんじゃないかなというところはあります」と労い、「パンチ力もあるので、上手くミートして押し込んでくれたかなと感じています」と得点シーンへ賛辞を送った。

 Aチームに入って、わずか2週間。短い期間で結果を出したが本人は「大学は身体のぶつかりあいが多く、アップダウンが激しくて、体力的にもついていくのが厳しくなるので、本当にレベルが高いなと思います。そういうなかでもやれることはやっていきたいです」と満足することなく表情を引き締める。

「1年目の目標はまずは東洋で自分の立ち位置を明確にするということと、リーグ戦に絡むことがあれば、ゴールを常に狙っていきたいです」。謙虚にそれでも貪欲に。小澤は一試合一試合を、一分一秒を大切にピッチへ立つ。

(取材・文 片岡涼)

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