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「あいつは昨日からガチガチだった」 J1初出場のFC東京GK大久保択より緊張したのは!?

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FC東京GK大久保択生

[8.13 J1第22節 FC東京1-0神戸 味スタ]

 プロ10年目でようやく辿り着いたJ1の舞台。待ち焦がれた瞬間をホームで迎えたFC東京GK大久保択生は訪れる危機をしのぎ切り、チームに8試合ぶりの完封勝利をもたらした。

 ここまで全試合フル出場のGK林彰洋が「ヒザを痛めてプレーできない状況」(篠田善之監督)のため、ベンチ入りを続けてきた大久保択に出番が巡って来た。前日に先発出場を告げられたようだが、「言われたのは昨日ですが準備はしてきた。焦らずにできた」と平常心で初のJ1のピッチへと向かった。

 序盤から神戸に主導権を握られる中、前半18分にピンチを迎える。MF橋本拳人がMF藤田直之に自陣でボールを奪われ、PA内に走り込むMF小川慶治朗にスルーパスを通されてしまう。しかし、「ピンチは必ず何本かあるだろうと思っていた。しっかりゼロに抑えたい気持ちがあった」と距離を詰めた大久保択がシュートをブロックして難を逃れた。

 幾度となく訪れる神戸のセットプレーの場面でも、「久し振りの試合だったので、『パンチングをするなら遠くに飛ばす』とはっきりやろうと思った」といち早く反応してパンチングで弾き出すなど、ゴールを守る。そして後半40分には絶体絶命の危機を迎えながらも、DF橋本和のクロスからFWハーフナー・マイクが放ったドンピシャのタイミングのヘディングシュートに反応。片手で弾いたボールはクロスバーを叩き、ゴールを守り抜くことに成功した。すると、大久保択の奮闘に応えるように、同43分にFWピーター・ウタカが決勝点を奪い、チームは1-0の勝利を収めた。

 J1初出場での完封勝利に「素直にうれしかった」と破顔。「J1で出るというのをプロになってから、目標にやっていた。それで勝利に貢献できたので、本当にうれしかった」と噛み締めた。

 4月26日のルヴァン杯第3節磐田戦では退場していたが、この日の試合前にはチームメイトから「お前、退場するなよ」といじられたようで、緊張し過ぎることなく試合に入った。そして、後輩の姿がリラックスにつながったことを明かしている。通常ベンチスタートの大久保択がスタメン起用されたことで、ルーキーのGK廣末陸がベンチ入り。廣末にとっては初めてのJ1でのベンチ入りとなり、「僕よりも陸が緊張していて、昨日からガチガチだった(笑)。『お前が緊張してどうするんだ』って言ってましたよ」と笑いながら答えた。

(取材・文 折戸岳彦)
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