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「“湘南スタイル”に慣れ始めてきた」ムルジャ、起死回生ヘッドで移籍後初ゴール

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FWドラガン・ムルジャが値千金の決勝ゴール

[8.16 J2第28節 千葉0-1湘南 フクアリ]

 起死回生の一撃だった。湘南ベルマーレは立ち上がりから千葉のハイプレスに圧倒され、シュート数は相手の19本に対してわずか2本。内容では完敗だったものの、後半33分に投入されたFWドラガン・ムルジャが試合を決めた。

 スコアレスで迎えた後半37分。MF秋野央樹が左足で蹴り込んだ左CKに高い打点で合わせたムルジャがヘッドで押し込み、劇的な決勝ゴール。チームにとってこれが後半唯一のシュート。ワンチャンスを生かし、劣勢だった湘南に勝ち点3をもたらした。

 6月末に大宮から完全移籍で加入し、出場3試合目で移籍後初ゴール。得点後は平日ナイターに駆けつけた湘南サポーターのもとへ。「いいところで決められた。みなさんと喜びを分かち合えてよかった」。チームメイトの歓喜の輪が広がる中、両耳に手をあててサポーターの歓声を煽った。

 攻守にアグレッシブな“湘南スタイル”への適応に苦しんだ。「湘南は自分たちのスタイルを持っているチームなので、慣れるには時間がかかると最初から思っていた。徐々に慣れ始めてきて、このゴールだった」。加入後の道のりをそう振り返ると、「ここで満足せずに次につなげることが大切。新しいチームのやり方を吸収することで自分自身も成長できると思う」と前を見据えた。

 ムルジャの姿勢を見守ってきたチョウ・キジェ監督は「あれだけのキャリアがある選手で、なかなか先発で出られなくてもチームのことを考えて下を向かずにやってくれていた。そういう選手が湘南で結果を出したことはチームにとって力になる」と活躍を喜び、「練習でもあんなヘディングシュートは見たことがない」と冗談まじりに称えた。

 チームは今季2度目の4連勝で勝ち点を59に伸ばし、首位をキープ。「ここにくる決断をしたのも昇格の可能性があるチームだということが大きかった。昇格につながるゴールを決め続けていきたい」。大宮に在籍した2015年にはJ2で19得点を挙げ、1年での復帰に貢献した。J1昇格へーー。湘南の新10番を背負うムルジャが再び仕事を成し遂げる。

(取材・文 佐藤亜希子)
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