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森山監督 U-17日本代表メンバー発表、21人の選考理由要旨

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U-17日本代表のメンバー発表が行われた

 日本サッカー協会(JFA)は22日、10月6日に開幕するU-17W杯インド2017に出場するU-17日本代表のメンバー発表を行い、森山佳郎監督が会見に出席した。

 立ち上げから2年半。チームの顔、FW久保建英(FC東京U-18)に一際注目が集まるが、各ポジションに逸材ひしめく世代。森山監督は「彼(久保)に負けないぐらいの将来性を持った選手も多い」と、各選手のポテンシャルに期待を寄せる。

 最終ラインは186cmのDF瀬古歩夢(C大阪U-18)、185cmのDF小林友希(神戸U-18)がCBでコンビを組んでいたが、主力だった瀬古は負傷のためメンバー外に。「一番最初にJ1デビューするかと思っていた瀬古がいなくなった。小林も筋肉系のケガがち。いろんな状況を想定した中でメンバー選考することになった」。チームを支えてきたCBの離脱を受け、ユーティリティ性の高い選手が多く入ったほか、直近の成長度にも注目しての選出となっている。

以下、U-17日本代表メンバー選考理由

▽GK
21 梅田透吾(清水ユース)
「彼が唯一の初招集。青木(心)の負傷もあって、ずっと前からチェックしていて呼びたかったが、夏前にケガをしていて呼べなかった。プレミアリーグ首位の清水で安定した力を発揮してくれている。順当と言えば順当」

1 谷晃生(G大阪ユース)
「チーム結成以来、ずっと1番を背負ってきた。将来を嘱望されている選手。トップチームでもルヴァン杯でもベンチに入っている」

12 鈴木彩艶(浦和Jrユース)
「02年の選手。ここで呼んでしまうと次のアジア最終予選には出られないが、それを差し引いても少しでも上でチャレンジさせたい。一人だけ中学生」

▽DF
2 池高暢希(浦和ユース)
「チームでFWをやっているが、代表では右サイドバックとしてプレーする。守備に課題はあるが、物怖じしない。相手が強くてもビビらない。元FWということで推進力もあるサイドバック」

19 監物拓歩(清水ユース)
「最近は代表に招集していなかったが、最終的には彼の高さ、左利きでスピードもあるという部分がチームに必要になるはず。大型の選手を相手にもやってくれるんじゃないか。性格的に優しいところがあるが、自分でもう一つギアを入れてくれれば楽しみな選手」

5 菅原由勢(名古屋U-18)
「ユーティリティープレイヤーで、大会でも右サイドバック、左サイドバック、センターバックと、すべてをやってもらうことになるのかな。直前にケガをしたという情報があって、彼が抜けたら一番やばいかなと思ったほど。どのポジションでも高いレベルでプレーできる」

3 小林友希(神戸U-18)
「彼もケガで呼んでいなくて、本来のプレーを出してくれるか不安もある。左利きのセンターバックで、彼と瀬古がいれば日本のセンターバックは安泰だなと思っていた。瀬古がケガで(招集外)、小林もケガで不安だが、彼がいてくれれば1対1の強さを含めて外国人相手にも十分通用する。フィジカル的な強さがある」

16 山崎大地(広島ユース)
「最後の最後に滑り込んだ。1年ちょっと前に前十字靱帯を断裂して、長らく戦列を離れていた。代表にも1年以上呼んでいないが、今プレミアリーグWESTでトップ争いをしている広島でフル出場できている。瀬古の代わりをこなしてくれるのでは。3バックの真ん中でロングフィードが得意な選手。戦術的なオプションでも彼を入れて戦術変更も可能になるのかな。ムードメーカー的な役割も彼が担ってくれると思う」

15 馬場晴也(東京Vユース)
「彼もシンデレラボーイ。東京Vユースでは試合に出ていなかったが、たまたま関東U-16トレセンリーグ、国体の関東リーグでボランチをやっていて、ボールを奪うのがうまいなと。1個下のU-16で、欠員が出て守備的なボランチが欲しいなと思って呼んだが、いきなりボランチは難しいかなと思って、センターバックで守ることだけに集中させたら、こちらの要求も素早く理解して、高いレベルでこなしてくれた。今ではヴェルディでもセンターバックとしてレギュラーをつかんでくれて、瀬古がいない中、彼がセンターバックとして計算がつけば、菅原をサイドバックに回せてサイドの攻撃に厚みが増す。彼の役割は重要になってくる」

▽MF
8 奥野耕平(G大阪ユース)
「派手さはないが、リーダーリップがあって、守備のボールを奪うところにも特徴がある。そつなく当たり前のことを当たり前にできて、計算ができる選手」

4 平川怜(FC東京U-18)
「このチームの心臓。彼が攻撃方向を決める。外国人を相手にしても『もっとシンプルにやれ』と言っても自分でグイグイ運んで決定機をつくってしまう。彼の出来もチームの浮沈のカギを握るかなと感じている」

18 鈴木冬一(C大阪U-18)
「チームではサイドハーフで、代表でもずっとサイドハーフで起用していた。最近薄くなっている左サイドバックでチャレンジさせたら、守備力もあって、中盤をやるよりも後ろからフリーでするすると上がったほうが攻撃で面白い。得点が欲しいときにサイドバックや中盤に入れるとPKが取れるような、単独でいける選手。相手に引かれて打開策を見つけられないときにPAに仕掛けていける」

20 椿直起(横浜FMユース)
「彼もソロでドリブルができる。まだ関わりとか中盤でのコンビネーションに課題はあるが、単独でドリブルで縦に突破したり、中に入っていったりする力がある。スーパーサブ的な存在になる。最後15分、『何か起こしてこい』というところで重要なカードになる」

10 福岡慎平(京都U-18)
「このチームの1次予選からずっとキャプテンを任せていて、信頼できるキャプテンで、チームの精神的支柱。サボることなく、倒れるまでチームのために走り、体を張る選手。心強いキャプテン」

6 喜田陽(C大阪U-18)
「ケガがちで呼べないこともあったが、菅原(由勢)に負けず劣らずユーティリティープレイヤー。両サイドバック、ボランチ、両サイドハーフができる。FWとセンターバック以外はどこでも。対戦相手、チームの状況によっていろんなポジションをやってもらわないといけない選手。60kgで線は細いが、それを補う賢さがある。将来性豊かな選手」

14 上月壮一郎(京都U-18)
「最終予選のあとは呼んでいなかったが、この1、2か月でグイっと伸びてきた。W杯に間に合ってくれた。この1、2か月の成長は目を見張るものがある。縦への推進力があって、攻撃のスイッチを押せる。フィジカル的にも外国人選手と張り合える選手なので楽しみ」

▽FW
9 山田寛人(C大阪U-18)
「腰を痛めて戦列を離れていたが、180cm超えと上背があって、FWでは一番大柄。スピードもある。器用な選手ではないが、力強いドリブルからシュートまで持っていく力がある」

11 宮代大聖(川崎F U-18)
「U-17ではエース格。1トップでも2トップでも、彼がずっと中心でやってくれていた。キープ力もあって、相手が強いほど決められる。強いチームになればなるほど活躍する、頼りになる選手」

13 中村敬斗(三菱養和SCユース)
「この1、2か月でぐっと伸びてくれた。FWの起用もあるし、U-17では右サイドハーフをやったりもする。縦に突破ができる上に、右足のシュートのパンチ力は一番ある。彼のシュート力のおかげで周りも刺激される。彼がフリーで打つときにはかなり高い確率でいいシュートがいく。決まる決まらないは別だけど、パンチ力を持っている」

7 久保建英(FC東京U-18)
「彼はU-20W杯を経験して、貴重なものを僕らのチームに注入してくれている。帰ってきて大会に参加した感想、素晴らしい話をしてくれた。U-20では得点を取れず、力を発揮し切れずに帰ってきた。この大会に期する思いはかなり強いと思う。最終予選のあと半年以上呼んでなかったが、チェコ遠征で合流して、かなり仲いいグループなのでまたすぐに入って、攻撃のアクセントになってくれた」

17 斉藤光毅(横浜FCユース)
「彼だけがまだケガを抱えている。インターナショナルドリーム杯でMVPと得点王を取って、U-17の合宿に2回連続で呼んで、かなり急激に成長している段階だが、9月はじめに鎖骨を折ってしまい、まだ安静にしている。御前崎の合宿でどの程度プレーが可能かを含めて確認して、決勝トーナメント、予選2、3戦目ぐらいで復帰可能なら連れていく。ダメだったら差し替えも考える。ケガがあっても連れていって、雰囲気を味あわせたい選手ではある。今ぐいぐい成長している、少しでもピッチに立たせてあげたい選手」

(取材・文 佐藤亜希子)

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