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[国体少年男子]走り続ける広島県の“象徴”。MF影山が走って、戦って決勝進出に貢献

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広島県MF影山兼三は走りでチームの決勝進出に貢献。(写真協力=高校サッカー年鑑)

[10.4 国体少年男子準決勝 広島県 1-0 青森県 新居浜市営サッカー場1G]

 走り負けない、走り続ける広島県の象徴的存在だ。広島県のダブルボランチの一角として先発したMF影山兼三(広島ユース、1年)は最終ラインまで下がって攻撃を組み立て、チャンスと見るや前線にまで駆け上がり、そしてボールを奪われればスプリントして守備。空いたスペースを的確に埋めながら、球際では身体を張ってボールに絡んで奪い取り、チームのために戦い抜いた。

 青森県の猛反撃を受けた試合終盤はカウンター合戦に。相手はセットプレーも連続で獲得し、勢いを持ってゴール前へ飛び込んできていただけに、1点リードを守る広島県にとっては苦しい戦いだったはずだ。
 
 それでも影山は平然とした表情で「いつも変わらないことなんですけれども、自分にできることは走ることだなと思って走り切りました。タフでしたけれども、いつも練習からバチバチやっているので、いつも通りにやった感じです」。普段、広島ユースでバチバチのトレーニングをやっていることを自負しているMFは、激闘に映った一戦も“普段通り”の戦いであったことを強調していた。

 影山の走りは「ひたむきに、全力を出して、やり続ける」広島県の中でも認められているモノだ。静岡県との準々決勝が行われた3日の夕食後に行われたミーティングで、岩成智和監督(広島ユース)は相手のカウンター攻撃に対してスプリントし、攻撃の芽を次々と摘んでいた影山のプレー映像を活用。これは全選手に対して走り続けることを求めるメッセージだったが、チームメートから「やるな!」などの声を浴びた影山自身も、次の試合で「やり続ける」とスイッチが入ったという。

 そして、準決勝ではチームのために70分間抜かずに走り抜いて勝利に貢献。決勝戦も「セカンドボールとか競り合うところは絶対に負けないで、マイボールにして攻撃の時間を増やせるようにしたい」と意気込んだ。派手なプレーで試合を決める存在ではないかもしれない。それでも、広島トップチームのMF青山敏弘を目標に力を磨くボランチが、決勝でも走ってチームを助け、勝利し、仲間たちと日本一を喜ぶ。

(取材・文 吉田太郎)
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