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[関東]首位・筑波大は中野ハット、戸嶋2G2A含む大量7得点で4連勝!桐横大は前半善戦も…苦しい7戦未勝利

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筑波大が大量7得点で4連勝達成

[10.10 関東大学1部L第16節 筑波大7-1桐蔭横浜大 筑波大第一サッカー場]

 第91回関東大学1部リーグの第16節が10日に行われた。筑波大第一サッカー場では筑波大桐蔭横浜大が対戦し、筑波大が7-1で勝利した。筑波大は4連勝で首位をキープし、桐蔭横浜大は第10節から7試合未勝利で最下位のままとなっている。

 首位を走る筑波大は7日第15節から中2日の連戦を考慮し、FW北川柊斗(4年=名古屋U18/山形内定)がベンチスタート。FW中野誠也(4年=磐田U-18/磐田内定)を1トップに、MF戸嶋祥郎(4年=市立浦和高)をトップ下、右サイドハーフにMF西澤健太(3年=清水ユース)、左サイドにMF三笘薫(2年=川崎F U-18)を配置した。

 一方、最下位から脱出できない桐蔭横浜大は前節・順天堂大戦(2-3)に続いて3バックを採用する。前節に2ゴールを決めたFW國場龍之介(2年=神村学園高)を最前線に、実力派ルーキーコンビのMF鳥海芳樹(1年=桐光学園高)とMF橘田健人(1年=神村学園高)を2シャドーに配置。また右サイドに突破力のあるMFイサカ・ゼイン(2年=桐光学園高)を置いた。

 筑波大の小井土正亮監督が「力の差があるとは思っていなかった」と語るように、首位・筑波大と最下位・桐蔭横浜大の前半戦は拮抗状態に。しかし前半終了間際から試合展開は急加速していく。

 前半43分、筑波大は左サイドから三笘とDF野口航(4年=大津高/北九州内定)の連係で突破を狙うがタイミングが合わず、野口の浮き球パスはそのまま桐蔭横浜大のPA内まで流れてしまう。しかし誰もが一瞬気を緩ませたそのタイミングを戸嶋が見逃さない。PA左で桐蔭横浜大GK田中雄大(4年=青森山田高)からボールを奪うと、無人のゴールに流し込んだ。

 「狙ってはいましたけど、まあでもラッキーですね」という戸嶋の狙いが的中し、筑波大が先制に成功。しかしその3分後の前半アディショナルタイム、今度は桐蔭横浜大が猛攻を仕掛ける。イサカが右サイドの1対1から突破に成功しクロスを上げると、PA手前にこぼれたところを鳥海が鋭い右足シュート。桐蔭横浜大が同点に追いつき、1-1で前半を折り返した。

 前半終了間際に痛い同点弾を食らった筑波大。しかし小井土監督が「失点してすぐのハーフタイムだから、そこで気が引き締まりました。ベンチに帰ってきてからもこのままじゃやばいぞって選手たちが話していて。追いつかれて前半を終えたっていうのが一番よかったことかもしれない」と語るように、筑波大は後半から目が覚めたようなゴールラッシュを見せる。

 後半4分、筑波大が早々に得点を決める。戸嶋の起点から三笘がボールを持ち、前線へスルーパスを送ると中野が得意の形から冷静に右足で決めて追加点。同10分にはPA手前の戸嶋からパスを受けた西澤がPA右から右足シュートを放ち、一気に3-1とした。

 筑波大のゴールラッシュは止まらない。3点目直後の後半10分、中盤でボールを奪った戸嶋が長距離ドリブルで前線へ。PA手前右からファーサイドへ鋭いグラウンダーパスを送り、走り込んだ中野がこの試合2点目となる右足シュートを決めて4-1。同11分、三笘のスルーパスに反応した西澤の右足シュートはGK田中にはじかれるが、後ろから追ってきた相手DFに当たり、オウンゴールで5-1となった。

 後半23分には三笘のスルーパスから西澤がPA右に進入し、GK田中を引き付けつつ左へ折り返すと中野が押し込んでハットトリック達成。同28分、MF長澤皓祐(3年=FC東京U-18)が右サイドからクロスを上げ、戸嶋がこの試合2点目となるヘディングシュートでリードを広げた。爆発的な得点力を見せた筑波大が7-1で勝利。今季最多得点での白星で4連勝とした。

 後半大量得点となった大きな要因として小井土監督は「明らかに三笘でしょうね」と2年生MFを絶賛。「ユニバーシアード競技大会から帰って総理大臣杯では悔しい思いをして、後期はおれが勝たせるんだっていう気持ちでやってくれています。覚醒というか自信を持ってやっています」と手放しに褒め称えた。

 勝利を収めて首位キープに成功した筑波大だが、2位・順大も勝利したため勝ち点差1は変わらない。「いい緊張感ですよね」と小井土監督はその状況について語る。「緊張感が保てているのでありがたいです。でも関係ないといえば関係ない。ぼくらが全勝すれば優勝なので、勝ち続ければいいだけです」と冷静に話しつつ、大きな自信も垣間見せた。

(取材・文 石川祐介)
●第91回関東大学1部L特集

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