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またも16強敗退…久保建英の挑戦終わる「余計に悔しい」

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ピッチに立ち尽くすFW久保建英(FC東京U-18)

[10.17 U-17W杯インド2017 決勝T1回戦 日本0-0(PK3-5)イングランド]

 チームメイトのように涙を流すことはなく、呆然と立ち尽くした。ファイナリストを目標に掲げ、自身も「優勝したい」と野心を燃やして臨んだU-17W杯。日本はPK戦の末に16強で姿を消すことになり、FW久保建英(FC東京U-18)は「やりきっても悔いは残る」と端的な言葉に悔しさをにじませた。

 大きな注目を浴びながら大会に挑んだ。第1戦ホンジュラス戦では1ゴールを含む4得点に絡む活躍。第2戦、第3戦は見せ場をつくれなかったが、この日は真価を発揮した。2トップの一角で先発すると、周囲と連携良く絶妙なスルーパスを供給し、攻撃にリズムを生む。後方からのロングボールをぴたりと収めて前を向き、縦へ縦へと仕掛けた。

 プレーの随所に技術の高さを見せつけ、ドリブル突破からのシュートで何度も相手ゴールを脅かした。ラスト20分は日本が押し込む時間帯が続き、その攻撃の中心にはもちろん久保が君臨した。中盤でボールを持つと相手DF陣に向かって鋭く切れ込み、ミドルレンジから迷わず左足シュート。しかし、フィニッシュの精度を欠き、最後までゴールが遠かった。

「今日は(イングランドと)全然やれて、勝てるところは勝っていたんじゃないかなと思うだけに余計に悔しい。やれない悔しさより、やれたのに負けてしまったのはもったいないですし、もっと高い景色が見たかった。負けちゃったけど、内容としてはこのチームも十分、トップとやれるくらいの選手がいると証明できたので、それはいい経験になったと思います」

 16強の壁はまたも越えられなかった。“飛び級”で参加した5月のU-20W杯も決勝トーナメント1回戦ベネネズエラ戦に延長の末、0-1で敗戦。その際、「こういう思いはこれを最後にしたい。(U-17W杯は)選ばれたらこういう終わり方はしたくない」と話していたが、雪辱は果たせなかった。

 年間に2度、世界大会を戦った経験を「絶対にプラスになる」と誇ったが、今後の目標について聞かれると「ちょっと、まだ今はイメージを持っていません」と言葉少な。2年半ともに歩んできたチームの挑戦はここで終焉を迎えた。久保を中心とした組織の力で強力な“個”を持ったイングランドを苦しめた。あと一歩だったからこそ、簡単には切り替えられなかった。

(取材・文 佐藤亜希子)

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