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デュエルで久御山よりも「一枚上」に。京都橘が京都予選で初となる6連覇達成!

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エンジ色のユニフォームをまとう京都橘高が初の6連覇を達成した

[11.18 選手権京都府予選決勝 京都橘高 1-0 久御山高 西京極陸上]

 11月18日に第96回全国高校サッカー選手権大会・京都大会の決勝が行われ、京都橘高が1-0で久御山高に勝利。6年連続7回目となる全国大会出場を決めた。京都橘は18年1月2日の全国大会2回戦で上田西高と戦う。

 前夜から降る雨も止んでキックオフを迎えた一戦。久御山は4-3-3の基本布陣から、ビルドアップ時はアンカーの小森優輝(3年)が最終ラインに下がる3-4-3へ変形し、足元の技術に秀でたGK堤陽平(3年)もボール回しに加わりながら中盤や前線へのパス供給を狙う。対する京都橘はむやみに前線からプレッシャーをかけるのではなく、4-4-2の守備陣形を構えてカウンターを狙った。

 最初の決定機は24分。京都橘は左サイドのMF土井翔太(3年)の仕掛けからチャンスを作り、最後はエリア内でMF佐藤陽太(1年)がシュートを放ったが、堤のファインセーブに阻まれる。久御山も25分に左サイドでFW明神大志(3年)が起点となり、クロスのクリアボールを右SBの中村禄郎(3年)がミドルシュート。26分には、今度は右サイドから中村の折り返しが流れたところを左SBの下西真斗(3年)がミドルシュートを放つなど、高い位置を取る両サイドバックがフィニッシュに加わる分厚い攻撃を見せるが、シュートが枠を捉えない。

 前半から両チームとも狙いとする戦いを繰り広げている印象があったが、監督や選手たちの考えは違った。久御山は小森が「思ったより攻撃で前に行けず、(ロングボールを)蹴ることが多かった」と振り返ったように、自陣の後方ではボールが回っていたが、敵陣でポジションをとる中盤や前線の選手へ効果的なパスを入れて久御山らしいコンビネーションを発揮する回数は少なく、チャンスの多くはロングボールを前線の選手が納める形からだった。

 一方の京都橘も「前から積極的な守備をしようと話していたが、(久御山のロングボールで)DFラインを下げさせられて後ろ重心になってしまった」(米澤一成監督)、「みんな動きが固くて、落ち着いてプレーできていなかった」(土井)とゲームプランとは違う40分間だった。

 ハーフタイムにそれぞれ修正を図る中、ペースをつかんだのは京都橘だった。狙いとする前線からのプレスを実行し、ボールを奪うとカウンター攻撃を仕掛けていく。後半9分には最終ラインから前へ出てボールを奪ったDF古川隆輝(3年)から前線のFW関野竜平(2年)へ縦パスが入り、そこから右サイドへ展開。攻め上ったDF松本永遠(1年)の折り返しからフィニッシュまで持ち込んだ。シュートは相手DFに阻まれたが、それで得たCKからスコアが動く。土井の蹴ったボールは相手選手に当たってゴールラインを割り、待望の先制点が生まれた。

 その後も試合の流れは京都橘が握り、素早い寄せで相手に自由を与えず、カウンターで追加点を狙う。対する久御山は攻撃的な選手を次々と投入し、終盤は前線に4人を並べて勝負に出た。36分にMF中野周登(2年)のスルーパスにFW吉岡亮(2年)が抜け出すが、相手DFとGKに対応されてシュートまで持ち込めない。エースの明神も右サイドから突破を図り、37分には直接FWからゴールを狙ったが、枠を捉えることができなかった。

 試合はそのまま1-0で終了。敗れた久御山・松本監督が「デュエルで相手が一枚上だった」と認めたように、局面の攻防で強さを発揮した京都橘が全国大会への出場権をつかむと共に、府大会では1960年から1965年にかけてFW釜本邦茂らを擁した山城高が記録した5連覇を更新する、大会6連覇の偉業を達成した。

(取材・文 雨堤俊祐)
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