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初出場の岸野監督率いる松本大、聖和学園出身MF高橋&MF丹野「出るだけで終わらせない」

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インカレ初出場・松本大の高橋と丹野が意気込み

 第66回全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)の出場24校が出揃った。北信越地域からは松本大が第2代表として出場。鳥栖や横浜FC、富山で監督を歴任した岸野靖之監督の下、チームとして初めて挑む冬の大学日本一決定戦。12月13日の1回戦では九州第2代表の鹿屋体育大と戦う。

 今月26日に行われた北信越大学選抜選考会には、松本大からMF丹野裕太(2年=聖和学園高)とMF高橋勇太(2年=聖和学園高)の2名が参加。関東選抜候補を相手に紅白戦で奮闘をみせ、北信越地域のレベルが年々上がっていることを示していた。

 とはいえ、選考会を終えた高橋は「自分は裏へ抜けるドリブルなどがひとつの特長なのですが、そのなかでフィニッシュで終われなかった。ドリブルで突っかかって終わってしまうというのが多かったので、そこは課題かなと感じました」と全国舞台を前に自身の課題を見つめる。

 丹野も同様に実力を存分に発揮できなかった悔しさを口にしつつ、「インカレではしっかりと自分の持ち味を出せるように、ここから努力してきたい」と約2週間後に控える全国舞台を見据えた。

 今季の松本大はリーグ戦を10勝4敗での2位フィニッシュ。全国切符を勝ち取った。チームの特長について高橋は「ボールを保持するチームです。図抜けて足が速い選手や身体能力に優れた選手がいるわけではないので、ボールを大事にして、ゴールを目指すというチーム。基本は大きく蹴ったりはしないです」と説明する。

 地方のチームが関東や関西、九州の強豪校と対戦する際、リーグ戦とは戦い方を変えて守備的になることが多いが、そのつもりはないようで丹野は「厳しい戦いにはなるのかと思いますが、しっかりと自分たちのサッカーを貫いてやっていきたいです」と意気込んだ。

 Jクラブの監督を歴任してきた岸野氏について、二人は「とにかくいい人です」と笑顔で口をそろえる。高橋によれば、「選手のことを考えて、練習メニューを考えてくれます。それぞれの特長を理解して、受け入れてくれた上で、アドバイスをくれるので。ボールを持ちすぎるなという指導者の方もいると思うんですけど、岸野さんの場合はボールを持ってもいいけど、仕掛ける位置を考えろと、僕たちを尊重してくれた上で指導してくださる」監督なのだという。

 岸野監督の下、同校初のインカレ出場まで辿り着いた。目指すは全国大会初勝利か。「北信越のレベルはまだまだ低いですけど、それでも全国の舞台で関東や関西のチームに勝てば、北信越全体にいい影響が与えられると思う」と語った丹野は「ただインカレに出るだけで終わらせるのではなく、しっかりと勝ちたい。松本大らしく勝って、北信越の名をもっと広げたいです」と力を込める。

 同調した高橋も「岸さんもよく言うんですけど、このままだと出るだけで終わってしまうので。もっといいプレーをできるようにこれから開幕まで短い時間ですが、しっかりと準備したいです」と表情を引き締めた。松本大が“未知の領域”、冬の大学日本一決定戦へ挑む。

(取材・文 片岡涼)

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