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遠藤保仁が赤裸々告白…“捨てパス”へのこだわり、将来の監督転身への思いも

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トークショーを開催したG大阪MF遠藤保仁

 アンブロとアドバイザリー契約を結ぶガンバ大阪のMF遠藤保仁が13日、サッカーショップKAMO原宿店に来店し、招待されたファン30名を前にトークショーを開催した。

 遠藤が今季でプロ生活20年を迎えたことを記念し、デサントジャパン株式会社は本人の完全別注仕様モデルとなるスパイク『アクセレイターYATTO 20TH』を20足限定で販売。デザインは黒を基調とし、アッパーには本人が普段履いてる仕様の『YATTO7』の文字も記載。シュータン裏にはシリアルナンバーが刺繍されている。

 スパイクのカラーのこだわりについて問われた遠藤は「やっぱりシンプルなものが好きですね。カラフルというよりは渋めの方が好きです」と返答。また、昔からここだけは譲れないポイントとして「見ている皆さんは分からないと思いますけど、僕はかかとが非常に特徴がありまして、そのかかとの部分をとにかく柔らかくしてくれと常に要望はしています。それとフィット感ですね。靴紐がなくてもいいくらいのキツさで履くこだわりを持っています」と明かした。

 遠藤は2004年からアンブロと契約を結んでいる。これまで様々なモデルを着用してきたが、当時と今のスパイクを比べて「全然違いますね」と実感を込めて話す。「もちろん僕が途中途中で(アンブロに)わがままを言ったのもありますが、全部進化していると思います。今はめちゃめちゃ履きやすいですし、特に何も言うことがないくらい進化していると思います」。ドイツ大会、南アフリカ大会、ブラジル大会と、3度のW杯を一緒に戦ったアンブロへの信頼は大きい。

 また、今回の限定スパイク販売に併せ、遠藤がアンブロとアドバイザリー契約を結んでから現在まで着用した歴代のスパイクが載ったメモリアルTシャツも発売されている。トークショーではサイン色紙に加え、メモリアルTシャツと同様のデザインが施されたクリアファイルがファンにプレゼントされた。

 クリアファイルで自身の歴代スパイク一覧を目にし、過去に履いたモデルの思い出を聞かれた遠藤は「履いた記憶がないのもあるんですけどね」と暴露して会場の笑いを誘うと、「これだけ出ていれば、長い間履いているものもあれば、短い期間だけというのもあるので……。(印象的なのは)どれだと思います?」とファンへ逆に質問。2010年南アフリカW杯のデンマーク戦でFKを決めたときに履いていたシルバーのスパイクが挙げられると、「これは確かにめちゃめちゃ履きやすかったです」と頷いた。

 そのほか、プロ生活20周年に際し、サッカー界全体の変遷にも言及。「僕が(プロに)入ったときは今のようにフィジカル重視のサッカーというよりは、テクニックとかそっちの方が多かったかな」と振り返り、自身が理想とするスタイルについて「簡単に言うとバルセロナ」「(もっと)分かりやすく言えば、めちゃくちゃ点を取っていたときのガンバみたいなイメージ」と語った。

 サッカーの話ではより深い内容にも踏み込み、遠藤はポゼッションサッカーに不可欠な“捨てパス”について持論を展開。「無駄と言われれば無駄かもしれないです。今の日本代表監督(バヒド・ハリルホジッチ)だったら無駄と言われるでしょうし、今の名古屋の(風間八宏)監督だったら無駄じゃないと言われるでしょうし、それは監督の好き嫌い。ただ僕は好きなので、無駄に見えたパスでも無駄ではない。実際、無駄なときもありますけど、それでもたくさんボールに触った方がいいと思うので、そういうパスは必要かなと思います」と、日本屈指のパサーとしての矜持をうかがわせた。

 ファンからの質問コーナーでは「将来的に監督をやりたいか」という問いに対し、「ライセンスを取りに行くのはちょっとめんどくさいなとは思っていますけど」と冗談をまじえつつ、「監督はやりたいですよ。チームを動かしたいなとは思います」とキッパリ。指揮を執りたいチームについては「どこでもいいですかね。でも、どこが一番の目標かというと、海外のクラブとかになるんでしょうけど。もちろんガンバも率いたいとは思います。代表の監督はものすごいプレッシャーがあるので、そこはあんまり今のところ興味はないです」と話している。

 トークショーのあとは個別の写真撮影および握手会、遠藤のサイン入りスパイクを懸けたじゃんけん大会、そして2回に分けて集合写真の撮影が実施された。遠藤は最後に「今日はありがとうございました。来季以降も何年やるか分かりませんけど、まだまだ自分を磨いていいプレーを見せていきたいなと思いました」とファンに挨拶。あらためて決意を新たにした様子だった。

(取材・文 阿部哲也)

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