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GK安部が相手エース止め、高川学園がPK戦制す!注目の初出場校・清水桜が丘は初戦で姿消す

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PK戦を制した高川学園高が2回戦へ進出!

[12.31 全国高校選手権1回戦 清水桜が丘高 1-1(PK3-5)高川学園高 フクアリ]

 第96回全国高校サッカー選手権は31日、1回戦15試合を行い、フクダ電子アリーナ(千葉)の第1試合では清水桜が丘高(静岡)と高川学園高(山口)と激突。1-1で突入したPK戦の末、高川学園が5-3で勝った。高川学園は18年1月2日の2回戦で長崎総合科学大附高(長崎)と戦う。

 名門・清水商高の伝統を受け継ぐ注目の初出場校・清水桜が丘は、大会直前に左肘を脱臼した注目エース、FW白井海斗主将(3年)がベンチスタート。絶対的な存在を欠く中、左SH松下祐也(3年)やFW大屋寛太(3年)の仕掛けからCKを奪い、MF築地健人(2年)のミドルシュートなどで流れをつかもうとする。

 だが、清水桜が丘の大瀧雅良監督は「向こうは思い切って前に来ていた。こちらの出足が遅くて、こぼれ球も拾えなかった」。出足で相手を上回った高川学園は185cmFW土信田悠生(3年)が制空権を握り、セットプレーからチャンス。13分には土信田が競り勝ち、抜け出したMF品部真完(2年)が決定的な左足シュートを放った。

 また、高川学園は江本孝監督が「この子が陰の立役者じゃないですけれども、要所要所のところで抑えてくれていた。あれでラインが下がってしまうと相手の思う壺だったと思うので、そこは良かったと思います。きょう一番効いていたかもしれないですね」と賞賛したCB 田近洸貴(2年)を中心に引かずに高いラインを維持。コンパクトな守りでボールを奪うと、ポゼッションしてペースを握っていく。

 それでも、清水桜が丘は前半28分、築地のアプローチ鋭いディフェンスから決定機。大屋のスルーパスで抜け出した松下が左足シュートを放ったが、距離を詰めた高川学園GK安部洋一郎(3年)が身体に当てて阻止する。清水桜が丘はこの後、松下、右SH渡邉唯人(3年)の両翼の仕掛けからシュートシーンを迎えたものの、GK安部の好守に阻まれるなど先制することができない。

 拮抗した展開のまま前半終了。清水桜が丘は後半7分に投入されたエース白井がすぐに決定機を演出する。13分、右SB 山田温人(3年)のインターセプトから右サイドでボールを受けると、緩急をつけた突破でDFを抜き去ってラストパスを通した。

 高川学園も18分に左エンドライン際でDFと入れ替わった土信田がGKと1対1となったが、シュートは清水桜が丘GK眞杉雛多(3年)がセーブ。清水桜が丘の白井は明らかにベストコンディションではないものの、サイドで起点となって押し込む時間帯を増やしていた。

 だが、27分に181cmFW山本廉哉(2年)を投入して前線にツインタワーを並べた高川学園が先制点を奪う。35分、田近が左サイドから蹴り込んだFKをPAで競った山本がこぼれ球に反応。右足シュートを思い切りゴールへ突き刺した。

 追い詰められた清水桜が丘だったが38分、右サイドでボールを奪い返した山田がDF2人を振り切って突破。ニアサイドの白井が粘って繋ぐと、最後はゴール前でフリーの松下が右足で同点弾を蹴り込んだ。

 試合は1-1のままPK戦へ突入。先攻の高川学園、後攻の清水桜が丘ともにコースへ正確なシュートを飛ばしていく。迎えた4人目、高川学園の山本が決めたのに対し、清水桜が丘は白井の右足シュートがGK安部に読まれて止められてしまう。直後、高川学園5人目の左SB 浜下光輝(3年)が右足シュートを左隅に決めて決着。江本監督が「(相手は)伝統校ですし、サッカー王国じゃないですか。今後の自信になると思いますし、山口県にとっても活気づくと思います」と素直に喜んだように、静岡の強豪校を破った高川学園が2回戦へ駒を進めた。

 空中戦で抜群の強さを見せた高川学園のエース土信田は「この初戦を勝てたのは凄く大きいことなので、この勢いのまま次に向かっていきたい」とコメント。静岡の強豪を乗り越えた高川学園が多々良学園時代の05、07年度に記録した4強超えへ、第一歩を踏み出した。

(取材・文 吉田太郎)
●【特設】高校選手権2017

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