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[MOM2398]大阪桐蔭FW菊井悠介(3年)_「GKが見えてないんじゃないか」冷静な分析が呼んだ直接CK弾

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選手権デビュー戦で菊井悠介は2得点を挙げた

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[1.2 全国高校選手権2回戦 大阪桐蔭高6-0羽黒高 味フィ西]

 多彩な得点感覚を見つけた。大阪桐蔭高(大阪)が6得点を奪ったうち、FW菊井悠介(3年)は4得点に絡んだ。

 この試合初めてのCKで菊井がニアに送ったボールは、FW今岡陽太(3年)の頭にピタリと合う。このシュートが羽黒DFに当たってオウンゴールを呼び込んだ。「インターハイのときにセットプレーはたくさんあったんですけど(点を)取れなくて、そこから冬に向けてみんなでいろいろアイディアを出して。自分はキッカーなので、ピンポイントで狙った選手に合わせられるのはできたと思う」と練習の成果を存分に発揮。

 8分後に訪れた左CKでは、直接ゴールに叩き込んだが、その成功の裏には1本目のCKで得た考察が活きていた。「GKのポジションを見たら少し後ろに下がっていて、DFとかぶっていてGKが見えていないんじゃないかと思って、もう一度同じような早いボールを入れたら直接入るか、誰かが触ると思った」。永野悦次郎監督が「(2トップは)場馴れしている」と評するように、初戦とは思えない冷静な判断が光った。

 流れの中でも菊井の状況判断が光る。前半終了間際には、約25mの位置からGKの頭上を狙うループシュート。GKはなんとかかき出すのが精一杯で、こぼれ球をMF西矢健人(3年)が押し込んだ。

 後半26分には左サイドを崩してとどめとなる6点目を奪った菊井。自身は2得点を挙げる活躍を見せたが、自己評価は高くない。「今岡が背後を狙ってDFが下がったときに、そこにロングボールを蹴るんじゃなくて、DFが下がってできたスペースを自分が使わなければいけなかった。自分の理想の形でボールをもらうのがあまりできなかった」と反省する。

 2トップが2ゴールずつ奪う活躍。「他の高校の2トップよりはコンビネーションは上だと思う」と菊井が胸を張れば、「去年もサブチームの2トップをやってきて、あいつが何をやりたいかわかっているし、僕が何をやりたかをわかってくれているので、コンビネーションには自信はあります」と相棒の今岡も認める。試合後のヒーローインタビューで「お互いに得点王を目指したい」と語った菊井。「チームにライバルがいるのはいい環境なので、やるからには得点王を取れるように」と今岡も気合い充分だ。2人が連動して得点を奪ったのはセットプレーのみだったが、次戦以降の爆発に期待がもてそうだ。

(写真協力『高校サッカー年鑑』)

(取材・文 奥山典幸)
●【特設】高校選手権2017

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