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分裂、逆境乗り越えた桐蔭学園「23人でやれる限界感じた」森山2発も実らず

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桐蔭学園はFW森山翔介(3年)が2ゴールの活躍も実らず

[1.2 全国高校選手権2回戦 桐蔭学園高2-2(PK2-3)一条高 等々力]

 14年ぶりに選手権に帰ってきた桐蔭学園高(神奈川)はFW森山翔介(3年)が2ゴールと気を吐いた。10番を背負うMF千葉恭馬(3年)が夏に右膝前十字靭帯を断裂し、選手権への出場を断念。エース離脱の影響もあり、174cmの“3番”森山がDFからFWにコンバートされた中、大舞台でも結果を残したが、チームは2度のリードを守れず、2回戦で涙を飲んだ。

 前半13分、ドリブル突破でエリア内に進入した森山がGKとの1対1から右足で先制点。1-1に追いつかれたあとの後半31分にはMF瀬賀凛太郎(2年)の鋭い右クロスを高い打点からヘッドで叩き込み、再び勝ち越しに成功した。しかし、ラストプレーで追いつかれ、迎えたPK戦で2-3の惜敗。「2点で満足した自分がいて、3点目を取りきれなかったことが悔しい」と肩を落とした。

 神奈川県予選決勝で退場処分を受けたDF原川凌太朗主将(3年)は全国大会初戦となったこの日が出場停止。キャプテンを3回戦に導けず、試合後は「勝てなくてごめん」と伝えたという。千葉だけでなく、大会前にも負傷者が続出した。しかし、他の47チームが30人を選手登録する中、桐蔭学園だけは10番千葉ら故障者を含めての23人登録。「23人でやれる限界を感じた」と吐露した。

 極めて異例の状況には理由があった。チームの方針により、今年度、部員数63人のサッカー部は2つに分裂した。李国秀監督率いるAチームは1、2年生で編成され、桐蔭復活のために下級生から徹底強化。蓮見理志監督が指揮するBチームは3年生全員と2年生3人の23人で編成された。森山は「この23人は苦楽を共に過ごした。原川を中心にまとまって、最終的には選手権に出れる形になった。応援がなければここまで来れなかった。たくさんの人に支えてもらった」と、周囲の人たちに感謝する。

 Aチームは神奈川県1部リーグを戦い、Bチームの3年生は同3部リーグを戦った。Bチームは練習できないこともあり、「練習ができてもグランドの端っこしか使わせてもらえない時期もあった。逆境に置かれていた」。一時はそのAチームが選手権予選に出場することになったが、学校側の後押しで3年生中心のBチームで出場することが叶い、14年ぶりの全国切符をもぎ取った。

 茨の道と知りながら、自らの意思でBチームに加わった3人の2年生は選手権で躍動した。「2年生3人には感謝している。3人が加入してから攻撃のバリエーションが豊富になった。彼らを支えていきたい」と森山は力説。MF若林龍(2年)、MF瀬賀凛太郎(2年)、DF加藤健次(2年)の3人は新チームでどういう立場になるか分からない。それでも、果敢なドリブル突破でチャンスをつくった若林は「3年生と一緒にサッカーすると決めて、自分の選択は間違っていなかった」と言い切った。

(取材・文 佐藤亜希子)

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