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[MOM2427]三菱養和SCユースFW栗原イブラヒムジュニア(1年)_“あえての突破”で決勝弾!!

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決勝ゴールを決めた三菱養和SCユースFW栗原イブラヒムジュニア

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[2.11 東京都クラブユース選手権決勝 三菱養和SCユース 2-0 東京Vユース 味フィ西]

 強豪Jクラブユース相手の2戦連発弾でチームを9年ぶりの東京制覇に導いた。三菱養和SCユースFW栗原イブラヒムジュニア(1年)は東京Vユースとの決勝で、鋭い持ち出しから左足を振り抜いて決勝ゴールを記録。「ああいう素晴らしいプレーをやればチームも勝てる」と自信を深めた様子を見せた。

 4点差の大勝を収めたグループリーグ最終節FC東京U-18戦で得点を決めた1年生FWは、決勝の舞台でも輝きを放った。序盤からロングボールを自在に収め、前線のターゲットとして攻撃を牽引。周囲の2年生とも「上下関係はなく、言いたいことを言い合える」という良好な連携を築き、時には強く要求しながらプレーしていた。

 そして前半37分、ついに自身の左足で試合を動かした。右サイドを突破したDF宮嶋俊弥のクロスをPA内で受けると、一気に左へ持ち出して相手守備網を打開。屈強なフィジカルを生かして果敢に左足を振り抜くと、ボールはGKの脇を抜けてゴールマウスに転がり込んだ。「普段は人を使いがちだけど……」という状況だったが、あえて突破を選んだ判断と強引に振り抜いた力強さが生きたゴールだった。

 これでFC東京U-18、東京Vユースという強豪相手のゴール連発となり、「自分の基準はプレミア昇格なので、高いレベルで良い手応えを得られた」とほほえむ。その一方で、昨季3位だったプリンスリーグ関東の戦いに向けては「リーグ戦は色んなヤツがいて、高体連のチームは激しさもある」と冷静に分析。「自分はファーストプレーは良いと言われるが、プレスバックやセカンドボールを拾うところを高めないといけない」とさらなる成長を誓っていた。

 背番号20に加えて、背格好からはトッテナムのMFデレ・アリを彷彿とさせるが、「寄せに行っているのは髪型だけですかね(笑)」とそれほど意識はしていない様子。むしろ、イブラヒムの名を受け継いだ父親と共に、根っからのリバプールファン。「試合を見ていると熱くなることもある」と観戦好きであることも明かしてくれた。

 また、自身がプレー面で理想としているのは、レアル・マドリーのFWクリスティアーノ・ロナウド。「(見習いたい部分は)マークがきつくても点を取れるところ。止まって見える時でも相手の見えないところを意識しているのがすごい」と、素直な憧れは“結果”へのこだわりの表れだ。

 昨季の得点源だった一学年上のFW中村敬斗が飛び級でガンバ大阪に加入したため、今季は自身がチームの攻撃を引っ張るという自覚も芽生えつつある。「去年はスーパーな選手がいて、彼が試合を決める形だった。いなくなったことで、みんなが1.5倍くらい頑張らないといけない」。U-17日本代表経験を持つ17歳は始まったばかりの新シーズンにおいて、とにかく“結果”にこだわり続ける構えだ。

(取材・文 竹内達也)

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