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終盤3発で突き放したU-16静岡選抜が、U-16東京選抜との“国体前哨戦”制す

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前半12分、静岡MF青島健大(清水ユース)が右足で先制ゴール

[3.11 静岡県ヤングサッカーフェスティバルU-16の部 U-16静岡選抜 4-1 U-16東京選抜 草薙陸]

 第33回静岡県ヤングサッカーフェスティバルが11日に静岡市の草薙総合運動場陸上競技場で行われ、U-16の部では地元・U-16静岡選抜とU-16東京選抜が対戦。MF中里圭佑(清水ユース)の決勝ゴールなど、静岡が後半残り10分間を切ってからの3得点によって4-1で勝利した。

 ともにU-16年代で開催される国体少年男子の部の有力チーム。“国体前哨戦”戦とも言えるカードは昨年、U-15日本代表としてAFC U-16選手権予選に出場した6選手を擁する静岡が勝利した。

 後方から丁寧にビルドアップする静岡はバイタルエリアでボールを受けるMF青島健大(清水ユース)やMF成岡輝瑠(清水ユース)中心にボールを動かし、個々のテクニックの高さを生かしてサイドの局面を崩しにかかる。12分には成岡が右中間からドリブルで切れ込み、最後はDFラインの背後へ飛び出した青島が「先制点を決められれば勢いに乗れると思った」とスライディングシュート。これが逆サイドのポストを叩いてゴールネットに吸い込まれた。

 一方、静岡同様に後方からショートパスを繋ぎながら攻める東京はMF沼田航征(FC東京U-18)の左足パスでサイドへボールを散らし、クロス、ラストパスまで持ち込む。この日はU-16代表代表組が不在。それでもMF藤田譲瑠チマ(東京Vユース)が誰よりも声を出して指示を飛ばし、各選手が勢いのある攻守を見せる。だが、静岡は主将のCB鈴木海音(磐田U-15)をはじめとしたDF陣が跳ね返して前半を1-0で折り返した。

 静岡が5人、東京が2人を代えてスタートした後半の7分、東京が同点に追いつく。静岡の連係の乱れを突いてCB間に走り込んだMF梅原翔琉(FC東京U-15むさし)がGKのファウルを受けてPKを獲得。これを自ら左足で決めて1-1とした。

 後半、東京のプレッシングの前に静岡はミスが増加。左サイドを崩してチャンスもつくったが、東京はMF玉川昴勢(東京武蔵野シティFC U-18)のスルーパスからMF梅原が決定的なシュートを放ったり、FW笠井佳祐(VIVAIO船橋SC)や梅原がPAまで強引に持ち込もうとするなど勢いを落とさずに攻め続ける。

 それでも、増田裕監督(富士東高)が「コンビネーションでボールを繋げるようになれば押し込めると思った」という静岡は、距離間良くボールを動かすことで再び流れを引き寄せる。そして26分、自陣からショートパスを繋いでボールを運ぶと、右サイドを縦に突いた交代出場FW花田耀祐(清水ユース)がクロス。これをゴール前に詰めていた交代出場MF中里が左足で合わせて勝ち越した。

 さらに静岡は28分、GK後藤祐介(Honda FC)のキックを花田が頭で相手DFライン後方へ落とす。これで抜け出した交代出場MF古薗汰久己(JFAアカデミー福島U15)がGKとの1対1から左足で決めて3-1とした。止まらない静岡はアディショナルタイムにも古薗の折り返しをゴール前で受けた花田が右足でダメ押しゴール。静岡が4-1で快勝した。

 18年の国体時期には19年U-17W杯への出場権を懸けたAFC U-16選手権が行われる。現U-16日本代表の有力選手が複数いる静岡はベストの陣容で臨めない可能性もあるが、増田監督は「(代表組以外も)レベルの高い選手たちがいる。上手い選手がいるので(本大会では)テクニカルな良さを出したい。良さが出れば、一人ひとりの技術によっていろいろなことができると思う」。この日は個を活かしたる崩し、サイド攻撃、速攻から得点。まだまだ守備面の甘さがあるが、連係面を高め、国体では多彩な攻撃で11年山口国体以来となる全国優勝を目指す。

(取材・文 吉田太郎)

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