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“史上最速選手”へ、「MERCURIAL MASTERCLASS」に阪南大高FW和田と京都橘MF高木の俊足アタッカー2人がチャレンジ

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FW和田育(阪南大高)とMF高木大輝}(京都橘高)

“史上最速選手”になるためのきっかけを掴む。継続的な日本サッカーの発展のためにさらなる普及や次世代選手の育成を促進することを目的としたプロジェクト、「JFA Youth & Development Programme」のオフィシャルパートナーを務めているナイキジャパンは、2月24日に「NIKE ACADEMY TOKYO」の特別セッションとして、“史上最速選手”を育成するためのプレミアムクリニック「NIKE ACADEMY MERCURIAL MASTERCLASS」(全4回)の第1日目を行った。

 事前選考の末、「MERCURIAL MASTERCLASS」受講者に選ばれたのは17年の高円宮杯プレミアリーグWESTで4得点をマークしている阪南大高(大阪)の俊足ストライカー、FW和田育(2年)と、1年生ながら名門・京都橘高(京都)の先発として選手権に出場している俊足サイドプレーヤー・MF高木大輝の2人。今年の関西地域における注目選手でもある2人が、全4回のプレミアムクリニックを経て“スピードスター”への階段を上っていく。

 2人は「スピードで牙をむけ」をコンセプトとしているナイキのフットボールシューズ、「MERCURIAL」が準備されたオープニングから活動をスタート。「NIKE ACADEMY MERCURIAL MASTERCLASS」についての説明を受け、2人はプロジェクトの壮大さを実感したという。そして、「NIKE ACADEMY TOKYO」の小島直人ヘッドコーチから「史上最速の選手を育成していきたい。スピードを武器にして、武器を使って結果を出していく選手になってほしい」、鈴木友規フィジカルコーチから「最初から様子見ではなく。本気でやってほしい。全部を持ち帰って欲しい」とメッセージを受けた2人は、圧倒的な軽さとフィット感、そして屈曲性、反発力も兼ね備えた“0.1秒で大きな違いを生み出せるスパイク”「MERCURIAL」を足にまとってピッチに立った。

 鈴木コーチからスピードを出しやすい踏み込みや姿勢を学んだ2人はその後、サポートメンバーの大学生とのトレーニングで7対7や4対4を実施。高木が得意としている左サイドでの縦突破からラストパスを狙い、和田がDFの背後を取って抜け出して見せるなど特長を発揮する。

 それぞれスピードでは負けたくないという2人はテーマを持ってこのスペシャルトレーニングに臨んでいた。和田は「ボールを持っている時のスピードが上手くいかない。これを伸ばしたい。FWなんで点を決めることは当たり前なんですけど、それまでの動きを学びたい」と語り、高木も「相手に読まれた時に身体を入れられてしまう。一瞬のスピードで抜けるようになりたい。相手に読まれていても前に行くくらいのスピードを身に着けたいという思いがあります」とコメント。スピードを武器に公式戦でも存在感を放つ2人だが、よりスピードで違いを生み出す術を求めていた。

 ただし、学んだことをいきなり表現できる訳ではない。トレーニング初日は大学生に身体を入れられてブロックされたり、良い形でボールを引き出せないシーンもしばしば。2人にはまだまだ足りない部分があった。「スピードをコントロールしなければいけない」と鈴木コーチ。同コーチによると、スピードを活かして抜き切るために最も良いのは、立った状態から身体を60、70パーセントまで落とす体勢が良いのだという。いくら足が速くても、スピードをコントロールできなければ試合で活かすことができない。また鈴木コーチは現時点で彼らの課題を指摘する。

「2人とも共通していたのが、抜き切る時って重心を落とした方がグッと行けるんですけれども、その脱力が上手くできていなかったんですね。ダウンの時のコツは脱力。そこが上手くなかったので、余計な力が入っている分、力が入っているし、頑張ろうとしているけれどもスピードが出ていないのがあったので、ドリルで明日も指導したいと思いました」

 また、ゲーム形式のトレーニングで指導した小島ヘッドコーチは、「スピードを上げて、その後のクオリティが落ちてしまったら意味がない。決める、人に決めさせることができて初めてそのスピードが活かされたと言えると思うので、そのスピードの上げ方、使い方を教えたい。余計な力を入れずにバランス良く次のプレーができるか。宿題を与えつつ、身体の部分は改善していきたいと思いましたし、この(24日と25日の集中開催の)2日間はスピードを上げた後のクオリティを上げるコツを教えたい」と語る。よりスピードに乗った状態でプレーできるように、身体の向き、ボールの置き所などをアドバイスしていたが、選手たちもトレーニングの中で次第にスピードの使い方のコツを覚えた様子だった。

 和田は1日目のトレーニング後に「突破する瞬間は身体低くする、止まる時は身体を上げて、を日頃からチャレンジしたいと思いました。今まで自分が意識していたこととはちょっと違ったのでチャレンジしたいと思います」と語り、高木も「(教わったことは知らない部分が)多かったです。(印象的だったことは)止まる時に上にブレーキかけるところ、力抜くところなどいい経験になっている」と頷く。

 2人は「NIKE ACADEMY MERCURIAL MASTERCLASS」を通して、自分のスピードを最大限に活かす選手、全国で大暴れする選手になることができるか。昨年は「NIKE ACADEMY TIEMPO MASTERCLASS」を受講したCB関川郁万が圧倒的な高さを示し、流通経済大柏高の選手権決勝進出の立て役者に。和田は「夢はプロサッカー選手です。高校に入学した時は、夢とかそういう感じだったんですけれども、今日の(オープニングでの)最初の話を聞いて『絶対になってやる』という気持ちが強くなりました。これで成長できるところをしっかり伸ばして、関川郁万とかに負けないくらい活躍したい」と意気込み、高木は「代表に絡んでいったり、選抜に選ばれたりしていきたい。(プロ入りするためには)今年が勝負の年やと思う。プロのスカウトも見に来ると思うので、アピールできたら良い」と宣言した。“史上最速選手”は簡単に実現できる目標ではないが、本人たちの心がけ次第で未来は変わるはず。「本気で」目指すことを決意した2人が、貴重な経験を将来に繋げる。

(取材・文 吉田太郎)

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