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[アンブロGACH1-TR]「覚悟が違う」中京学院大中京、“手の内知る”中部大一に逆転勝ち

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MF野々村京平(2年)のハットトリックで中京学院大中京高が逆転勝ち

[4.1 第2回GACH1-TR CAMP in東海 中部大一高2-4中京学院大中京高 ホンダ細江グランド]

 フットボールに「ガチ」で向き合うユース年代のプレーヤーのためにアンブロが行う「第2回 GACH1-TR CAMP in 東海」2日目が1日に、ホンダ細江グランドで行われた。元名古屋のGK伊藤裕二監督率いる中部大一高(愛知)と一昨年度の全国選手権に出場した中京学院大中京高(岐阜)の一戦は、中京学院大中京が4-2で勝利した。

 隣県に位置する両校の交流は深く、「中部大一とはしょっちゅう試合をする。距離が近いから、下手したら月に一度はやっていると思う」(中京学院大中京・福留直人監督)。序盤は互いに手の内を知る中でも、「今日はチームとしてどれくらいできるか確認する場」として挑んだ中京学院大中京が試合の主導権を握った。

 前半1分には早々と見せ場を作り、「本来は中盤の選手なので、前線で試合に出てもゴールというよりは自分がアシストをして、周りに決めさせることを意識した」と話すFW木村光我(3年)のパスから右サイドを抜け出したMF梶川滉介(3年)がゴールを狙ったが、GK近藤魁人(3年)に足で防がれた。

 以降もチャンスを作ったが、「チームとして、いつ攻撃に行くのか、いつ守るのかスイッチがバラバラだった。特に守備は奪われた近くの選手はすぐに行けるけど、遠いサイドの選手が遅かった」(福留監督)と守備の課題が露呈し、9分にはカウンターからFW小西真南斗(2年)に決められ、先制点を献上。15分には、「練習通り」という木村のクロスをMF野々村京平(2年)が頭で合わせて同点に追いついたが、直後に再び小西に決められた。

 二度目のビハインドを背負っても、中京学院大中京の選手は折れず、24分には木村のスルーパスから野々村が2点目をマーク。1年次からスタメンの座を張り、「コーチングの質が違うし、キックの精度も上がってきた」(福留監督)GK中野翔太(3年)ら4選手を投入した後半も、中京学院大中京は攻撃の手を緩めない。

 開始すぐに野々村が3点目を奪い、ハットトリックを達成すると、後半19分には左サイドを抜け出したDF安井貴都(3年)がフリーでシュートを決めて、タイムアップ。「昨日も4、5点獲って勝てた試合だったけど、シュートを外しまくって勝てなかった」(福留監督)中京学院大中京が前日の課題をきっちり修正し、4-2で勝利した。

 今年の中京学院大中京は、3年前の選手権岐阜県予選決勝で各務原高に負けたものの、テクニックを大事にするサッカーに感銘を受け、入学を決意した選手が多い。「普通なら勝ったチームを選びそうなのに、『中京面白いな』と選んでくれた子たちだから、覚悟が違う」(福留監督)期待の世代ではあるが、昨年度の選手権はベスト8で敗退。今年の新人戦も決勝まで進み、試合の主導権を握ったものの、帝京大可児高に1-3で敗れている。

 試合内容はいつも悪くない。足りないものは明確で、「『ダメだ』と言われて選手権に出た2年前と、『今年は良い』と言われながら負けた昨年と、どっちを選ぶんだと選手たちには言っている。良い選手が泥臭く戦えるのが理想だけど、まだ足りない」(福留監督)。ビハインドを背負っても、同点に追いつかれても、しっかり勝利を手繰り寄せた今日の試合が戦いの指針になるのは間違いない。今後も泥臭さを磨きながら白星を重ね、全国の舞台を再び手繰り寄せるつもりだ。

(取材・文 森田将義)

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