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[MOM2462]静岡学園FW宮形怜央(3年)_技巧派集団で効く異端派、『ガツガツ系』の2得点

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2得点を決めた静岡学園高FW宮形怜央(3年)

[高校サッカー・マン・オブ・ザ・マッチ]
[4.1 第2回 GACH1-TR CAMP in 東海 静岡学園高 4-1 ホンダFC U-18 本田細江グランド]

 本人が「皆は技巧派だけど、自分は技術がない。どちらかと言えばガツガツ突っ込んで行く系」と自任するように、テクニックに自信がある選手が集う静岡学園高の選手ではあるが、FW宮形怜央(3年)は決して足元が上手いタイプではない。売りは力強い突破や泥臭くゴールに絡む動きで異色なタイプだが、いざ試合が始まると良いアクセントになり、相手に効く。

 Honda FC U-18と対戦したこの日は、彼の良さが活きた試合だった。2月に練習で味方と接触し、足首を痛めていた宮形は4日前に復帰したばかりで、前日は、「点を決めたい一心でプレーしていた」ものの無得点に終わった。「誰よりも得点を獲ろう」と挑んだこの日は前半2分に、相手のバックパスが風で止まり、クリアし損ねた所を奪い、先制点をマーク。以降は力強いプレーで攻撃を牽引し、21分にはドリブルで中盤を抜けたMF渡辺玲音(3年)の「愛のあるパス」(宮形)を冷静に決めて、突き放しに成功した。このゴールが決勝点となり、試合後、宮形は「コンディションは良くなかったけど、結果を残せたのは良かった」と胸を撫で下ろした。

 異端とも言えるタイプの宮形が静岡学園を選んだのはワケがある。中学時代に、友人の父親から「静岡学園のサッカーと合うと思う」と勧められた。元々は高校サッカーに関心がなく、静岡学園がどんなサッカーをしているかも分からなかったが、試合をチェックすると、テクニカルなサッカーに魅力され、虜になった。すぐさま入学を決意した彼は、「入った時に少しでも上手ければ練習に馴染める」と元いたチームを辞めて、神奈川で技巧派の街クラブとして知られる『エスポルチ藤沢』に移籍し、高校入学への準備を進めたという。

 高校に入ってからは、まず1年生チームでスタート。「良いパスに助けられている」と振り返るように、味方のお膳立てによって結果を残したものの、2年生になる直前で膝を怪我したため、昨年は一番下のカテゴリーであるDチームでプレーした。決して、対戦相手のレベルは高くなかったが、「毎試合のようにゴールを決めることができて、得点感覚が身についた」のは彼にとってプラスだった。

 最終学年になり、ようやくBチームに辿り着いたものの、ここが彼の終着点ではない。「出来る限り、結果を残してチームのために尽くしたい」と話す先に捉えるのはAチームでの活躍。自信があるというゴールに絡む動きでアピールを続け、更なる上を目指す。

(取材・文 森田将義)

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