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[関東大会予選]「他に見ないようなチームを」。OB・八城新監督の下で桐蔭学園が再スタート:神奈川

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八城修監督の指示を聞く桐蔭学園高イレブン

[4.28 関東高校大会神奈川県予選5回戦 桐蔭学園高 0-2 横浜創英高 日大藤沢高G]

「全てにおいて、弱い」。

 0-2で敗れた横浜創英高戦後、今年3月から桐蔭学園高の指揮を執っている八城修監督は、選手たちへ向けて厳しい言葉を投げかけた。

 決定機は作った。良い守備もあった。試合の流れを引き寄せている時間帯もあった。だが、決めきれず、守りきれなかった。本当に彼らのスイッチが入ったのは先制されてから。それでは厳しい試合をものにすることはできない。前線で奮闘し、決定的なシュートも放ったFW佐々木翔音(2年)は「負けてからじゃなくて、八城さんも言っていた通り、最初から目の色を変えてやらないといけない。まして僕たちよりも実力が上のチームなので最初から全力でやらないといけない」と悔しがっていた。

 桐蔭学園OBの八城監督は、04年から系列の桐蔭横浜大の監督を務め、当時神奈川県大学リーグ1部だったチームを関東大学1部リーグにまで引き上げ、関東大学トーナメント優勝、総理大臣杯3位などへ導いた実績の持ち主だ。選手たちと努力してきた成果が出て桐蔭横浜大は関東リーグ優勝、日本一という目標が手の届くところまできている印象だが、桐蔭学園からの打診に対して「自分が頑張れば学園(グループ全体)がもっと良くなる」と監督就任を決断。「情熱では絶対に負けない」と言い切る指揮官の下で名門は新たなスタートを切ることになった。

「他に見ないようなチームを作りたい」と八城監督。この日は185cmFW佐々木と10番FW白輪地敬大(2年)の2年生2トップが相手の脅威となり、MF新橋尚悟(3年)とMF遠藤風士(3年)の両翼もチャンスメーク。選手権に出場したFW瀬賀凜太郎(3年)が交代出場で推進力をもたらすなど会場を沸かせていた。後方の選手たちも奮闘。ただし、八城監督は現時点ではまだまだチームの力が足りないと感じている。試合中、「(状況を)見てるだけでなく、準備しろよ」という声が何度も指揮官の口から発せられていた。状況判断の不足。自分の好きなことはできても、それ以外の動きが少ない。求める声も出て来ない。個々の表現や細かい部分、気迫も足りず、白星を引き寄せられなかった。

 それでも、チームのポテンシャルはある。また、試合前のウォーミングアップから声が出るなどチームの雰囲気は良かった。11年インターハイ優勝、02年度選手権ベスト4などの歴史を持つ強豪も“分裂騒動”の余波で芳しくないイメージが残っているかもしれない。だが、選手たちは団結して素直に強くなることを目指している。白輪地は「自分をみんなで見つめ直して上を目指してやっていこうということは八城さんから言われたことなので、それはチーム一丸となってやることだけを考えていました」と語り、佐々木は「まとまりは凄く強いです。(先輩後輩の)絆は強い」と口にする。

 今は足りないものも多いかもしれない。だが八城監督は「サッカーは人生と一緒。ダメならばやればいい」。試行錯誤しながら「自分も勉強ですね」と語る新指揮官の下で桐蔭学園はどのように変わっていくか。人気校でそのテクニカルなスタイルに対するファンも多い。関東大会予選は早くも終焉を迎えてしまったが、今後のリーグ戦、トーナメント戦で新たな桐蔭のサッカーを披露し、結果を残す。

(取材・文 吉田太郎)
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